第6話帰還祝賀パーティー

 王都に帰り着くと、王様自ら王城の前で出迎えてくれた。荒野じゅうを引きずってきた、比較的おとなしい部類のアンデッドだったナイン王子を鞭でしばくと生き返った。王様もよろこんで、

「助かった。民を置いて私が荒野へいくことはかなわず、おまえたちのようなものを探していたのだ。運がよかった」  

 これ! 人の苦労を運がよかったですませるんじゃないわ。

「ザイン、ガイン、おまえたちは王子をたぶらかし、悪の中枢を構築した罪で――」

「ああ、待ってください、おとうさま」

「ナイン」

「あれらも、国政を案じてのことで、決して悪意など――」

「ええい、まだ世迷言を!」

「おとうさま」

「ふん! とにかく王子は無事に帰ったのでこの場はよしとする」

 顔を伏せるザイン、ガイン。

「レイラ! レイラ!」

「王子さま! 王子さま!」

 民に応える王子に見とれるレイラ。

(顔は好みなのよねー、わりと)

 少年剣士、表情を険しくして突っかかる。

「おい、おまえが好きなのはオレだろ!」

「は? そんなこといつ言った?」

「……いつだっていいだろう。おまえはオレだけ見てればいいんだよ!」

「勝手なことを……」

「あのう、僕、どうしたらいいんでしょう……?」

「は?」

「知るか!」

「いや待って。仮にも一国の王子を助けるクエストだったのよ、ただってことは……」

「は?」

「だから報奨金くらい出るかも」

「ばっか! 本来、王様にふっかけられた罰ゲームだろ? 褒美なんかでるかっての」

「がくー」

「ま、かけあってみっか」剣士が剣で肩をとんと叩いてあくびした。

「あのう、僕、祝賀パーティーに呼ばれてるので……一応主賓という形で……お二人もご招待しますよ」

 ののしられたので遠くから弱弱しく王子が誘ってくれた。

「やっりい!」

「いや、当然でしょ……一国の第一王子を救ったんだから」

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