〈フーム〉

 襲い掛かってくる〈フーム〉たちに、俺はアサルトライフルのトリガーを引く。

 銃口から火が噴く。

 飛び出した銃弾が、1体の〈フーム〉に突き刺さる。

 そいつは銃弾の勢いで後ろに吹き飛ばされる。

 だが、〈フーム〉はそいつだけじゃない。

 少なくとも、俺の目の前には、あと2体いる。

 しかも〈奴ら〉は俺に向かって発砲する。

 避けきれない俺は、〈奴ら〉の銃弾を喰らうしかない。

 そのせいで、立つのが難しくなる。

 なぜなら〈奴ら〉がぶっ放した銃は、ショットガン並みの火力があったからだ。

 放射的に放たれた無数の銃弾が、まるで飛び掛かってくる獣のように、俺の体を押し倒す。


 ――しくじった……!


 しかし後悔しても遅い。

 俺は地面に背中を強く打ち、倒れた。

 すぐさま臨戦態勢をとろうと、仰向けのままアサルトライフルを構えるも――


 俺の目の前には、〈フーム〉から突きつけられる銃口だけがあった。

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