第18話



最終話 〔オチ付いて、落ち着いた…〕



そして、話は部室に戻る。


そこに居たのは、風見と草村だった。



草村「どうだ!風見!これを映像化しよう!!」


風見「お前…これって…」


草村「ああ、そうだ。私が前に書いたマンガだ。登場人物の名前をエーサクのメンバーに変えてみた。」


風見「これが、この間言ってた、新しい作品の全容か?」


草村「ああ、そうだ。台本よりわかりやすいだろ?」


風見「あのな、草村…言いたい事が山ほどあるんだが…」


草村「言ってみ、言ってみ。意見はたくさんあった方がいいからな。」


風見「じゃあ、遠慮無く。まずは…「茂」って誰だよ?お前、従兄なんて居ないだろ。しかもかなり重要なポジションだし。」


草村「仕方ないだろ、出てきちゃったんだから。ほら、探せば従兄の1人や2人…」


風見「いね~よ!」


草村「わからないぞ~、親父の隠し子とか…」


風見「お前、そのうち家を追い出されるぞ。

それから、これ撮影期間はどのぐらいかかるんだ?」


草村「話的には2日間だけど、撮影となると3ヶ月ぐらいか?」


風見「それで?費用は?」


草村「そうだなぁ、祭りのセットや爆薬だろ、工場のセットにエキストラを1000人程…いったいどれだけの費用になることやら…ハハハ…」


風見「ハハハじゃね~よ。ムリに決まってるだろ…。

それから、読んでて気になったんだが、氷河が名前しか出てないけど、あいつは裏方か?」


草村「氷河?ちゃんと出てるぞ、ガッツリお前と絡んでるじゃないか。」


風見「え!?俺と絡んでる?」


草村「まぐ郎だよ、まぐ郎。まぐ郎が氷河なんだ。」


風見「え?まぐ郎が氷河?スタントマンじゃないのか?じゃ、じゃあ、まぐ次郎とまぐ三郎も、うちのメンバーなのか?」


草村「ああ、そうだよ。まぐ次郎は水川、まぐ三郎が花咲だ。」


風見「え~!!ムリだろ!まぐ三郎はともかく、まぐ次郎は戦闘シーンがあるんだぞ?」


草村「大丈夫だ、よく見てみろ、まぐ次郎はハデに見えるが、つっ立ってブーメランを振り回してるだけだ。たまに投げたりな。

どうせ、あとで吹き替えをするから、そのときは男子がやればいい。」


風見「そうは言ってもな、あいつらがやらないんじゃないか?」


草村「な~に、お前が頼めば一発OKだ!」


風見「なんだよ、その自信は…」



ガラガラガラ~…


憂樹「こんちわ~!」

友生「こんにちわ~…」


風見「おう!友生に神成、来たな。」


憂樹「なにそれ?マンガ?」


風見「ああ、この間言ってたヒーロー物をマンガにしてみたんだと。」


友生「え!?読みたい読みたい!ボク可愛い妖精だよね。」


憂樹「あたしはセクシークイーンだったよ!」



20分後…


友生「可愛い妖精って…これ…」?


憂樹「あたし、なんだか、頭にヒトデを乗せた大食い女になってるんだけど…」


草村「ホ、ホラ、あれだ、まだマンガに書いただけだから…本番はもう少し可愛くなるんじゃないかなぁ…と思うような気がするような…、

神成も、よく見てみろ、続きそうな終わり方だろ?実は「ユーカ」と「憂樹」が合体して、セクシークイーンになる予定なんだ。」


風見「え!?続きがあるのか?」


草村「まあ、話的にはな、撮れるかどうかは別として。」


風見「でも、お前達、人間の役だけでもいいと思わなきゃ、水川と花咲は、後半「マグロ」だぞ。

氷河が「まぐ郎」、水川が「まぐ次郎」、花咲が「まぐ三郎」だとさ。」


友生「え!?この「まぐ次郎」と「まぐ三郎」って、水川さんと香ちゃんなの?」


草村「ああ、後半は出番が無いからな。


友生「ところで、この「茂」君て、草村さんの従兄?」


草村「おう!架空の従兄だ!」


憂樹「架空?」

友生「架空?」


風見「話の流れで、出てきちゃったんだと。」


草村「まあ、適当な奴を探しておくよ。」



ガラガラガラ~…


清美「ごめん、生徒会で遅くなっちゃった。」


香「こんにちわ…」


憂樹「あ!まぐ次郎とまぐ三郎だ。」


清美「まぐ次郎?まぐ三郎?神成さん、なんのこと?」


草村「いや~、ちょっと人手が足りなくてな、2人に着ぐるみを着てもらいたいと思ってるんだ。風見との絡みもあることだし、水川ならいいかなって…」


清美「風見君と絡み…」


風見「ま、まあ、これを読んで決めてくれたらいいよ。」


清美「これは?」


憂樹「〔超蓮人TTT〕のマンガバージョン、お二人さん、かなり激しく絡んでます。ププッ。」


清美「なによ?気持ち悪いわね。」


草村「ところでさ、水川様、予算が少し足りないんだが、生徒会会長特権でなんとかならないかな?」


風見「少し!?」


水川「いくら会長でも無理だよ。部費は均等に充てられてるから。」


風見「と、いうことだ、予算は10万、撮影日数1週間でなんとかするんだな、名監督。」


草村「え~!風見~幼馴染だろ、ちょっとは出してくれよ。ブーブー!

いいのか神成、10万じゃ、撮影にすべて取られて、美味しい物が食べられないぞ。」


憂樹「え~!?それは嫌だ~!ブーブー。」


風見「ブーブー言うな。やっぱり神成は、ヒトデを頭に乗せた大食い女で決定だな。」



20分後…


清美「私に出来るかな?」


香「ねえ?あたし、死んじゃうの?」


憂樹「大丈夫だよ。水川さんは生徒会会長なんだから、マグロの着ぐるみは絶対似合うよ。」


清美「どんな理屈よ…」


香「まぐ三郎は何もしてないから死ななくてもいいんじゃないかな~」


風見「ところでさ、草村。お前が考える話って、必ず「オチ」があるよな。」


草村「やっぱり読者にも、落ち着いて読んでもらいたいかな。オチが付くだけに。ププッ」


風見「上手いこと言ってんじゃね~よ。」


香「まぐ三郎、助けてあげようよ。」


友生「ちょっと読んでて気になったんだけど、後半は「ご当地」関係なくなってるような気が…」


草村「いや~、書いてて面白くなってきてな、最後のオチを考えるので精一杯になって、「ご当地」はどうでもよくなった。」


風見「ダメだろそれ…」


香「ね~ってば、あたし死んじゃうの?」


草村「大丈夫だ!ヒーローの名前が岡山弁だから、それだけでご当地物だろ。」


友生「え?TTTは「てーてーてー」だけど、ボレノも岡山弁?」


草村「もちろん!「物凄いなー」というのを岡山弁では「ぼ~れ~の~」と言うんだと。」


風見「それで「ボレノ」か。」


憂樹「あたし、ダンスか何かと思ってた。」


香「まぐ三郎、可愛いのになぁ、死んじゃうなんてかわいそうだなぁ。」


草村「他にもあるぞ、後半出て来た、氷の女王「メズスラーム」これは倉敷市の銘菓「むらすずめ」を逆さに読んだだけだからな。まあ、気付くヤツはほとんど居ないと思うが。フフフ。」


風見「へ~、なんだかんだ言って、結構まともに考えているんだな。」


香「ね~、あたし…」


憂樹「他には、他には?他に隠し方言的なのは?」


草村「そ~だな~…」


「プチッ!!!!」(香がキレた音…)


ガタッ!!(香がイスから立ち上がった音…)


バン!!!(香が机を叩いた音…)



香「おい!おめ~ら!!わしゃ~、死ぬんか言うとんじゃ!!!!」



一同&氷河(草村の後ろに隠れ、出ていくタイミングを計っていた…)



「え!?!?え!?!?え~~!?」




お・し・ま・い。







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ご当地ヒーロー〔超蓮人TTT〕 じんべい @invoke

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