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――待ちに待った土曜日――
マルチメゾンワールド高校の前で待ち合わせた私達は、みんなが揃うのを待つ。
琴美はすでに来ていて、運転席にはサングラスを掛けた逞しい男性。誰だろうと、マジマジと目を凝らして見るが、野球に疎い私には彼がどの球団の選手なのか、見当もつかない。
徒歩で現れた
「久しぶり!元気だった?どこに内定決まったの?」
「私はソマリアデパート、琴美は?」
「私はドレミ幼稚園」
みんなは挨拶代わりに、就職先を言い合っている。私と恵太はまだ決まっていないため、答えることが出来ない。
「琴美、彼紹介してよ。プロ野球選手なんだよね?」
「マスコミに撮られても困るし、キャンプ場についたら紹介するよ」
マスコミか……
聞いてるだけで、ドキドキする。
凄いな。
どこで知り合ったんだろう。
白い軽自動車で現れた洋子と恵。
黒いワゴン車の
「恵太!久しぶり!」
「おう!
恵太は
「これで全員集合だよな?車がないのはひろこと宏一とカンジだよな。どうする?俺の車、あと二人乗れるし。洋子の車も二人OKだろ。じゃんけんする?」
「じゃんけんしなくても。ひろこは私の車に乗せるから、宏一とカンジは恵太の車でいいんじゃない?」
洋子の一言でアッサリ決定するが、まだ矢吹君が来ていない。
学校の場所がわからなかったのかな?
携帯電話を気にする私に、恵太が気付く。
「優香、どうしたんだよ。乗れよ」
「……待って。あと……一人」
「あと一人?誰だよ?まさか顧問だったタコ先生?」
元顧問は
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