群馬県編3.-宿に餃子が無いって言ったの誰? -

僕は宿に着いた。通行人に宿を聞いたらここになった。餃子のある所が良いから探したのだが皆「無い」と言う。

…… だが、と僕は思う。今僕の目の前には美味しそうな餃子がある。

ねぇ、誰、「あそこの宿には餃子は無い」って言ったの。ご飯までしょんぼりしていたんだよ、餃子を見るまでは。

「いただきまーす」

それにしてもでかい食堂だ。そして周りには外国人、日本人の家族連れ、独身等々の人々がいる。「魅力度ランキング」が低いにしては多いね。

美味い。何この美味さ。あ、よく家では冷凍のを焼いて食べていたよ。テレビで「とても美味しい」って言われているやつ。

…… でもね、これは違うの。こう、なんかこう、口に入れて噛んだ瞬間に汁が出てきて口の中に広がって、舌に染み込んでいくような…… 。肉が美味しい。

まるで食レポみたいだ、と呟く。だが、リポーターはもう少し上手なことを言うだろう。

白米と一緒に食べると更に美味しい。生きていて良かった。旅をしようと決めて良かった。

美味しすぎて、一二〇個と食べ過ぎた僕は、夜にお腹を壊し、結局眠れない夜を過ごすのであった。

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