神奈川編⒊-コースター作ったんだけど-
寄木細工というのは、様々な種類の木材を組み合わせ、
工場内にある本にはそう書いてある。
難しそうな物だ。木がくっ付いてできている んだぜ!? すげぇよな! 落としたら大変そうだが。と一人で興奮する。
「じゃあ最初、木材を切ってゆく。大きさは一ミリでも違っていたら駄目。これは完璧でないと。で、模様の配色順に膠で圧着。この時のまとまりの模様を『単位模様たんいもよう』って言うんだよ。重ね合わせた素材を寄木細工固有の型に合わせて、単位模様の1辺を手鋸で切断。ここにあるのがここまでのやつ」
この時点からもう素敵……。
「切断された単位模様を
うっすーく削った表面には単位模様。綺麗。
「切断した単位模様は更に寄せ集め膠で接着する。この作業を繰り返しながら大きな模様とする。これを種木たねぎと呼ぶ。種木を大きな特殊な鉋で1枚づつ丁寧に削る。この鉋紙を”づく”と呼んでいる。また手鉋の表面見てみる? 」
こっちの方が綺麗。一枚欲しい。その旨を伝えると、
「駄目! こっちを使うんだから」
と言われる。あ、そうなの。四角くまとめたのを中を掘ったりするんじゃないのね。
「鉋で削られた”づく”は縮んでいるのでアイロンでのばしこれを小箱等の化粧材、つまり貼り付ける物として使用。これが完成品。ま、これはコースターだけど」
「作ってみても良いですか? 」
「構わないよ。時間ある? 」
「腐る程有り余っています」
体験者用の机に座る。
「何を作りたい? 」
「簡単なのが良いです」
「じゃあコースターだね。準備するから待っていてね」
五分後。木材と色んな道具が机上に並べられる。
「コースターは簡単よ。今まで説明したよりもね」
寄木のパーツを組合わせて文様を作り、接着剤で単位模様をくっ付け、やすりで擦ってワックスを塗る。
僕はパーツを切るところから躓く。何分経ってもできないので、店員が既に切った木材を持ってきてくれる。それをくっ付け作る。
「出来たー! 」
一時間後にはもう完成。リュックサックにしまう。
お金は五千四百円。あって良かった。
いつ使おうかな、このコースター……。
後書き
箱根駅伝の往路のトロフィーはいつ見ても感動します。
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