神奈川編2.-箱根寄木細工-
電車から降りる。あー、疲れた。眠い。
兎に角歩きまくる。行くあてのない僕。あんなに電車の中で「箱根寄木細工」を楽しみにしていたというのに行く気がない。これと同じ症状を、働いていた時に感じたことがある。何もしたくない。あの時はやらざるを得なかったが、今はもう休める環境にあるのだ。
でも宿が見つからない。そのまま三時間くらい放浪する。
すると、「箱根寄木細工」の店が見つかった。色々と奇跡なのではないか。
「すみまーせーん。入っても良いですか? 」
開店しているのに声をかける。これは多分本気でおかしくなったのでは。案の定店員と思われる人は笑いながら「どうぞ」と言う。
商品を見る。独特の模様が綺麗に並べられた箱がそこにはある。
ふぉぉ……! と声をあげながら見ていると、
「工場見てみます? 」と言ってくれる。
「見ます見ます見ます! 是非! 」
どうやら店の奥は工場になっているようである。
そこまで大きくはない。人一人がやっと通れるかぐらいの横幅の工場。ほんの少しだけしか明るくないのは商品を傷めないためだろう。
「じゃあ、今から作ってみるから見ていてね」
後書き
友達がからくりの箱根寄木細工を持っていて、よく遊ばせてもらいました。
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