千葉県編1-宿決まり-

 さて、電車を乗り継ぎ、向かった先は千葉県。

 ……此処は「我孫子駅」だ。何があるかな?


 パンフレットによると、千葉県の特産品は「落花生」、「二十世紀梨」、「株」etc...

「結構沢山有るんだなぁ。じゃあ、落花生を買ってみよう」

 早速店を探す。スーパーで「千葉県産」と書かれた落花生を買う。

 近くの公園で食べる。美味い。調子に乗って投げ食いしたら落とした。馬鹿か。

「お兄さん、涼しいのぅ」

 杖をついたおじいさんが声をかけて来た。七十歳位だろうか

「はい」

「隣良いかい? 」

「ええ、どうぞ」

「お兄さん、仕事は? 」

「今、旅をしていて。仕事は辞めました。ブラック企業だったんで」

 暫く色々な話をする。

「宿は見つかったかい? 」

「いえ、未だ……今日は野宿にしようかと」

「だったら家に泊まっていかんかい?ばーさんも若いのと話したがってたから」

「え?良いんですか?そんな急に。困りません? 」

「大丈夫じゃ。ほれ、家迄案内するぞい」


 ついて行った先は普通の一軒家だった。玄関に入る。

「ばーさん!若いのを一人、連れてきたぞい!」

 すると六十歳位のおばあさんが出てきた。

「おぉやおぉや。これまた楽しくなりそうだねぇ」

「よ、宜しくお願いします!」

「さ、上がって上がって。ご飯の準備をするね」


 リュックを玄関近くに置き、暫く居間でテレビを観させてもらう。三十分位経ってから、

「でぇきぃまぁしぃたぁよぉ!」

 と声がかかった。

 食卓に行くと豚の角煮、白米、味噌汁、秋刀魚、野菜炒め等、レパートリー沢山で僕の好きなものだらけだ。

「いただきます……美味。すんげぇ美味」

「良かった良かった」

 そうしてほぼかきこむように食べ終わった。

「ごちそうさまでした」

「風呂入るかのぅ? 」

「沸いてるわよ? 」

 入る。あったけぇ。

「……お風呂、いただきましたー」

 時刻はいつの間にかもう二十三時だ。

「すみません寝たいんですが……」

「二階に布団が敷いて有るわ、そこで寝なさい」

「有難う御座います。おやすみなさい」

 二階に上がる。今日は本当に良い日になった。疲れていたようで直ぐに寝てしまった。

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