手汗(手掌多汗症)と就活
「あーもう、書きづらい!」
就職活動も手汗が邪魔してくる。履歴書を書こうとしたら手汗で紙がぬれ、ぶよぶよになってしまった。これでは受ける会社に「こんなふにゃふにゃした履歴書を出す奴は、性格もふにふにゃしてるに違いない。不採用」と言われてしまう。また一から書き直し。汗で濡らさずに履歴書を書き上げるには、普通の人の倍の時間がかかってしまう。
面接会場に行くと、受付のお姉さんにこの場でエントリーシートを書いてくれとペンを渡された。手汗を拭こうとポケットに手を突っ込むが、命のハンカチがない! 常にエントリーシートから手を浮かせて書き込まなくてはならず、字が乱れる。お姉さん見ないで! 手汗がペンに残っちゃうよ。なんとかエントリーシートを書き上げ、仕方なく汗のついたペンをお姉さんに渡し、ダッシュでトイレに逃げ込む。次の面接に備え手の汗をゴシゴシ洗い流す。ふ〜。面接の前なのに、鏡の中の自分はすでにげっそりしている。
「あなたの短所は何ですか?」
面接官に真顔で聞かれたが「手が常に汗まみれです」とは死んでも言えず、大人しいところでしょうか、と答えた。さっき洗ったばかりなのに、拳の中は汗びっしょり。あわててスーツの下のシャツで手の平を拭くが、時すでに遅し。拳を置いていたスーツのズボンに汗じみができていてビックリ。手汗のことを考えるとさらに手汗が出ると言う、魔の手汗ループ。面接官にも汗じみがばれたんじゃないかと気になって全く集中できない。全て行き当たりばったりで答えて、面接が終わった。きっと落ちただろう。面接の結果は3週間後に分かるらしい。
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