2.全体印象

 今回条件を満たしてくださった20作品ですが、いわゆる王道のタイムループ、フェイトループを使われた方が過半数を占めました。それを拝見して、改めてそれらのループの影響力、破壊力の強さを思い知らされることになりました。しかし同時に、今回応募してくださった方々はループの使い方をしっかり練り上げておられて、ううむと唸らされることしきり。タイムループ、フェイトループの概念を思い切り拡大、置換するような画期的なブレークスルーは見られなかった反面、ループをアレンジされる腕の冴えに改めて驚かされました。素材と調理ということで言えば、調理法の上手さを感じられる作品に多く巡り会えたなという印象です。


 一方で、わたしが当初期待していた変化球は思ったより少なかったです。企画を上げた時に、ループをどう定義するのかという質問をいただいたんですが、わたしはそれすらゆるゆるに考えて欲しかったんです。だって可能性を広げるには、既存概念の縛りを外さないと始まりませんから。

 しかし、こういうのが理にかなってるとか優れているという仕分けには、最初から意味がありません。エントリーされた作品を読まれたみなさんが、なるほどこういう発想や調理法もあったかと刺激を受け、それを筆欲に結びつけてくださればばっちりオッケー。それが叶えば、この拙い企画を立てた甲斐があったかなと思っています。もちろん、わたしも大いに勉強させていただきました。少なくとも企画者のわたしは、とても有意義な企画になってよかったなと思っています。



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