13と19の会話

※我が家のマスターレイス二人の会話

※登場するのは西浦(ノイピュア射撃型)と五月女(サラ/ハヌRC型)

※西浦はロンドンで一つの任務をこなして(?)帰ってきた

※その時に関わった内容が西浦の境遇ピッタリ。しかも依頼人が自分の嫌いなタイプだった


※この前提があればなんとなくで分かるかと

※読者に不親切設計な小説ですいません……





「身勝手過ぎない?」

「……何が?」

机に腕を乗せその上に顎を置きなんとも言えない体制をとっている五月女はひたすらに自分の武器を弄っている西浦に声をかけた。

「ロンドンの話ーいくらお父様からの依頼じゃないからって勝手に切って依頼者殺すのはどうなの?」

「いや、ムカついたから仕方ないだろ?」

「割と短気だよねー西浦って。」

「お前は気にしなさすぎじゃないのか?」

「目的が観測だから!あんまり私情を挟んじゃいけないのさー」

へらり、と笑って五月女は西浦を見つめる。それを呆れた様子で見つめた西浦だったがいつもの事か、とすぐに思い再び銃に視線を落とす。

「え、スルー?やめてよ地味に傷つく!」

「鋼のメンタルの癖して何言ってんだか……」

不服そうに唇を尖らす五月女に西浦はそう返した。しばらく彼を睨みつけていた五月女だったが反応がないことに諦めたのか手元の端末へと視線を落とす。

少しの間二人の間を無音が包む。そんな時ふと西浦が顔を上げ弄っていたものを全て仕舞いだした。

「どうしたの?」

「バレたみたいだな。」

「おっけ、逃げようか。」

2人は荷物をまとめ窓を開ける。ここは3階。通常の人間ならば落ちてしまったらひとたまりもないだろう。だが彼らはオーヴァード。この高さなら障害にならない。

徐々に誰かの足音と爆発音が大きくなっていく。

「うっわ、めっちゃ怒ってるな。」

「そりゃーマーマイトをめっちゃ美味しいチョコソースとかいって渡したら切れるよーしかもわざわざパッケージまで変えて!」

怒りの雄叫びと共に中に入ってきたのはヨハン。2人と同じくコードウェルの息子の1人。彼は西浦達の姿を認識するなり全身から炎を吹き出しながら叫んだ。

「テンッメェエエエエエ西浦ァァアアアアアア!!」

「ようヨハン。俺の土産は気に入ってくれたか?」

「気に入るわけねーだろあんなクッソまじい物!!」

「そりゃーマーマイトは美味しくないだろうねー評判通りだ!」

「お前の入れ知恵か五月女ぇ!!」

二人の声に合わせてヨハンの体から溢れ出す炎が大きくなる。流石にまずいと思ったのか2人は目を合わせ頷き合うと駆け出す。

「あっ!待てやゴルァ!!」

「西浦ー支持よろしく!」

「ああ。その代わり俺運ぶのよろしくな!」

五月女が西浦を担ぎ担がれた彼はメンテナンスを終えたばかりの銃をヨハンに向かって放つ。ヨハンは放たれた銃弾を炎で相殺する事で無効化する。その隙に五月女は担いだまま窓から飛び降りそのまま走り去る。

「とりあえずバイク取りに行ってから隣町かな?先回りされない?」

「アイツにそこまでの知能ないから大丈夫だろ。」

「さらっとヨハンの事ディスってるよねぇそれ……」

走りながらそう言い合う2人だったが背後からなにか大きな物が落ちた音同時に爆発音も聞こえてきた。そして誰かが追いかけてくる音も。

「あ、ホントだ。」

「だろ?だからアイツは何度もUGNに任務を邪魔されるんだ。」

西浦は溜息をつきながら周囲にある物を攻撃し障害物を増やしていく。五月女は冷静に撃ち抜く彼に呆れた視線を向ける。

「……ほんっと西浦はヨハンをディスるねぇ……」

「真面目に作戦を立てればアイツはファンコンブレードに勝てる可能性があるかもしれないだろ?」

「いやいや、可能性でしょ?」

「0以上の可能性があるだけでも相当だ。アイツらだぞ?」

「……まー確かに。俺も会っちゃったら全力で逃げるもん……」

バイクを置いている駐車場に着いた2人はすぐにそれに跨るとそのまま走り去る。後ろから一人の少年の怒りの雄叫びが聞こえてきたが気にしない。

「とりあえずどこ行く?」

「……んー、久々に温泉でも行くか。中藤さんのところなら料理も美味いし。」

「賛成!」

同時に2人はアクセルを回し速度を上げる。しばらく帰れはしないだろうが問題は無い。






そんなマスターレイスの二人の話



以下設定



五月女 和馬“マスターレイス13”

サラマンダー/ハヌマーン

高校生/FHチルドレン

ロイス

不死者(アンデッド)

家族 懐旧/恥辱

アルフレッド・J・コードウェル 感謝/畏怖


代々様々な才能を持つものが生まれることが多い一族に生まれた凡人。両親がその一族でも優秀であったため欲を抱いた親戚に殺される。本当の両親たちは彼のことを愛していたが親戚は違った。そして真実を知った彼は親戚を殺害、コードウェルに拾われた。

彼の願いは『観測を続ける事』自分に手を差し伸べた男性(反逆の聖人)の作り上げる世界がどんなものなのか。UGN含めオーヴァード達の戦いはどんな結果を導くのか。その全てを観測し続ける事が彼の欲望である。

不死者の力を持ちジャームでもオーヴァードでも無い自分のことをただの中途半端な存在、出来損ないだと自称する。


「俺はただ見届けたいだけだよ。お父様の作る世界ってのをね?」

「このまま観測を続けても君の結果は面白くない!って事でさようならー」

「んん、俺がここで関わるのは面白くないんだけどねーまあお父様の命令じゃぁ仕方ない!」




西浦流人“マスターレイス19”

ピュア:ノイマン

高校生/FHチルドレンB

ロイス

実験体、装着者、樋浦彼方 〇純愛/恥辱


代々政治に関わる家に生まれた。だがある時両親に売られ研究所に放り込まれた。その時に助け出した樋浦彼方には執着や愛憎にも似た感情を押し付けている。だが、自分が無力だった時を知る人間でもあるため若干の羞恥も感じている。

両親を殺した樋浦に拾われた後はFHにて訓練を行いそこに所属することとなった。その際にコードウェルの目に留まり『マスターレイス19』の名前を渡された。

その名前を渡されたのは自分が勝ち続けていたからだと思っている事からすべてに勝利し続けなければ自分はここにいられないと思っている。

数年前まで『マスタードライブ』が率いるセルに所属していた。だが彼が抜けたためいまはどこのセルにも所属せず好きなように動いている。

旅と称して世界を周りFHと敵対する組織と戦っている。負けることは許されない、許されてはいけない。


「樋浦さん!お久しぶりです!暫く任務ないなら一緒に温泉でも行きませんか?大丈夫!何もしません!」

「はじめましてーそれで、俺の存在意義の糧として死んでくれないか?」

「うっるせぇ!!テメェに関係ねぇだろぶっ殺すぞ!」


※マスタードライブについて

自PCの1人。現在はオーヴァード達専門のタクシー会社を起業した3人の1人として活動している。

以下設定

中藤 壮太“運転手(元マスタードライブ)”

FHセルリーダーA/タクシードライバー

クロス:ノイマン/モルフェウス

ライフパス

出自/資産家:経験/仲間の死:邂逅/同志

覚醒/感染:衝動/妄想

ロイス

装着者、先行者、春日恭二 感服/食傷


元々代々旅館を営む家に産まれた。何不自由なく跡取りとなる為に生活を送っていたがある日オーヴァードに覚醒。その時に偶然であったのがFH出会ったためそのままそこに所属し活動していた。そんなある日とある任務にてUGN、ゼノスと共闘。その後もFHエージェントとして活動していたが他人を傷付けてまで自身の欲望を叶えようとする仲間達に違和感を覚える。だが、UGNやゼノスの理念も理解ができない。どうしたものかと考えていた時UGNに所属していたエージェント(当時中枢評議員候補)に声をかけられFHを離脱。ほか2人もそれぞれの組織を抜け今の会社を立ち上げた。

家族が営んでいた旅館は潰れてしまったが館と遺産は残っていたためそれを利用しオーヴァード専門の旅館を作り上げた。従業員は皆戦闘可能なオーヴァード達である。

通常時と車を運転している時、旅館にて着物を身につけている時で言動と性格がガラリと変わるが多重人格ではない(本人曰く)。


「あっ、本日はご利用ありがとうございます……」

「ヒャッハー!この俺の速度に追いつけるのかァ!?」

「侵入者確認!皆の者、各個撃破と参るぞ!」

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