第53話罰

嫌…来ないで」

「たっぷり聞かせてもらいましょうか?新堂さん…いや涼汰さんの事を…」

(…どうしてその名前!!)

「嫌!来ないで!」

…どうしてこんなことになったんだろう…

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私は涼汰君と別れた後歩いていた

もう終わったんだよね…

スマホを取り出し連絡先を消そうとしたその時

グイ

肩を掴まれた

「!?…どうしてあなたがここに…」

*****************************************************

美菜と別れを告げた後俺は舞由香に電話しようとした

その時 

♪♪♪

俺のスマホが鳴った

「誰だ?」

画面を見ると美菜からだった

「美菜?どうしたんだ?」

『美菜?どうした?』

だけど一向に美菜の声がしない

「間違いか?」

そう言えば最後何言おうとしたんだ…?

切ろうとしたその時

『タッタッタッ』

走る音が聞こえた

『美菜?』

その時

『嫌!来ないで!』

叫び声がした

『美菜!?おい!美菜!』

遠くから工事の音が聞こえた

『工事…の音!?』

プッ

しばらくして通話が切れた

「クソ…!」

俺は急いで辺りを見回した

「美菜…!」

*****************************************************

「あ、あなたは東藤さん…」

「お久しぶりですね新川さん、お見合い以来ですね」

「ど、どうして…」

「気づきませんでしたか?最近あなたをずっと付けてたのは僕ですよ?」

そう言った東藤さんはあの時とは全く違う笑顔だった

「どうして…そんな事」

「僕はあのお見合いのせいで身内から笑い者にされたんですよ…あの男のせいで…

父も母にも見放された」

「あ、あの時は本当に申し訳ございませんでした!」

「いや、もうそれは良いんですよーただ一つおもしろいことが分かりましたから」

「え?」

そう言って東藤さんはスマホの画面を見せた

「これ、あなたですよね?」

それはさっき私と涼汰君が最後に抱き合った時の物だった

「!?…どうして…」

「あなたがこのカフェ入って外に一緒に出た時僕もこのカフェにいたんですよ」

「そんな…」

(見られてたなんて…)

「それだけじゃないですよ?」

「え…」

そして今度はボイスレコーダーを取り出した

《…涼汰君私もね…涼汰君と抱き合えて幸せだと思ってた

涼汰君が電話しに外に出た時本当は私起きてたの…

でも、そこで気づいた

涼汰君はもう私の物じゃない

身体が繋がったって今の私達はセフレぐらいの関係にしかなれない

これが本当に幸せなのか後から考えた

後から罪悪感もすごく感じたの

誰かの物を奪ってまでの幸せなんてそんなの本当の幸せとは言えないよね…」

それは涼汰君と最後に別れを決断したあの時の会話だった

「おかしいですよね、確かあなたと初めてお会いし

あの男が現れた時は確か雅昭?と言う名前だったはずですよね?」

「…それは…」

「…たっぷり聞かせて貰いましょうか?雅昭…いや涼汰さんの事を」

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「美菜…どこだ!美菜!」

俺は電話を掛けた

が…

『電話をおかけしましたが

お繋ぎできませんでした』

美菜が出ることはなかった

辺りを見回すともう真っ暗だった

何も見えなかった

「クソ…!俺があの時ちゃんと聞いていれば

こんな事にならなかったのに…!」

無事でいてくれ!

俺は願いながらまた走った

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「…ごめんなさい!その人は私の元カレで…

協力して貰ったんです!騙して本当にごめんなさい!」

「やっぱりそうだったんですね、でも彼女持ちの人と関係持つなんてあなたも結構やりますね」

「…」

罰が当たったんだ…私どれだけ迷惑をかけたんだろう…

最低だ…

「これ、マスコミに流したら大スクープですよね〜

新川病院はどうなるでしょうね?」

東藤さんはそう言って黒い笑みを浮かべた

「お願いします!この事は誰にも言わないで下さい!」

「どうしましょうか?買い取って頂いても構わないですけど」

「い、いくらですか?」

「そうですねー300万ぐらいでしょうか?」

「3、300万円!?」

そんな大金…持ってない…

「あなたのお父様にお願いしても良いですよ?」

お父様なんかにお願いなんかしたくない…

だけど…

「まあ、それか…」

東藤さんは私の顎を持ち上げた

「…僕に黙って…抱かれるか…ね?」

私は自分のことしか考えてなかった

だから後からやっぱり罰は来た

当たり前だ…

許されない事をしたんだから

「…分かりました…身体で払います…」

私はこの“罰"を受けないとならない…

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