第40話罪悪感
涼汰君とホテルを出た後私は座っていた
さっきまでの幸せな時間が
再び現実に戻った
涼汰君は彼女の元へ帰る…
それでも良いからと
自分から涼汰君との関係を私は求めた
愛してくれるなら…
抱いてくれるなら…
身体だけで良い
身体だけで良いから繋ぎ止めたい
私はその事だけを考えてしまった
新堂さんと出会えて付き合えた1年本当に幸せだった
毎日夢のような日々だった
この人だけを愛する
そう決めていたのに
あの夏祭りの花火大会の帰り道再会した時から
止まっていた過去の時間が巻き戻された
もう過去の人と踏ん切りをつけ
割り切った
でも公園で再び再会して私は自分の気持ちに気づいた…
これ以上関係を持たないよう振って気をつけていたのに
キスをされて、告白もされた
お見合いが決まって泣いていた日も
ずっと側にいてくれた
アドバイスもくれて勇気もくれた
そしてお見合いの場所から私を連れ去っていてくれた
あの瞬間から私の中で涼汰君に対する感情が強くなった
だけど後からすごく罪悪感を感じた
私の勝手な気持ちで相手の彼女にも涼汰君にも迷惑をかけてしまった…
「私最低だ…」
涙がポロポロこぼれ落ちた
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美菜と別れた後俺は自販機でジュースを買いベンチに座った
美菜を抱いた時のあの感触が手に残っていた
嬉しかった…美菜が俺を求めてくれて
俺はずっと美菜を忘れられなかった
花火大会で再会したあの時
過去が再び今の現実に戻ってきた
その時一気に美菜に対しての気持ちが強くなった
キスをした後美菜に押されてからも俺はまだ諦められなかった
公園で再会してもう一度俺は美菜を求めた
だけど美菜の中にもう俺はいなかった事が分かった
俺はそこから諦める事を決めた
迷惑をかけて困らせた分今度は本当の友達として側にいる事を決めた
そう思っていたその時美菜が俺を求めてくれた
諦めた恋が再び燃え上がった
だけど…舞由香のあの聞いた事のない悲しい声を聞くと…現実に戻され、後悔をした
新堂さんの事を思うとすごく悪いことをしたと分かった
「俺…なにやってるんだ…」
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僕のカバンの中に入っているブレスレットが舞由香と一緒にいた事を現実にさせた
美菜と付き合えて僕は幸せだった
ずっとこの愛は永遠だと思っていた
だけど花火大会に向かう途中僕は舞由香と出会った
良い子だと思った
初めは本当にその印象だった
舞由香からツイッターでメッセージが来た時はびっくりしたけど嬉しかった
その度やりとりをするのが楽しくて
僕と好みや趣味が一緒な事を知った
そして僕達は外でも会うようになってしまっていた
美菜に別れを告げられた日
僕はどうしたらいいか分からなかった
何か理由があるのは分かっていた
心の中でずっと強がっていた
舞由香からもメッセージが来なくなり外で会うこともなくなった
スマホを何度も確認してしまった
…舞由香から来なくなってから僕はずっと寂しかったんだ
そんな時転勤を告げられた
その時僕は美菜ではなく舞由香にメッセージを送った
僕はただお礼を言いたかった
彼女とはもう会えなくなるから…
そんな時僕は彼女から告白された
嬉しかった僕も舞由香を求めていた
そして僕達は男女の関係になった
まだ美菜に対して踏ん切りもついていないのに
ちゃんと向き合おうとせず中途半端なまま舞由香を抱いた
僕は最低な事をした
「ごめん…舞由香…」
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あたしの身体にはまだ雅昭さんに抱かれた感触がの残っている
そしておそろいのブレスレットが一緒にいた事を明かしていた
嬉しかった…新堂さんに抱かれて
本物の彼女になれたと思っていた
だけどあたしは偽りの彼女にしか慣れない事を分かった
涼汰と最近うまくいってなかった
そんな時雅昭さんと出会った
雅昭さんを引き込ませたのはあたしだ
一目惚れしてしまい、それだけでなく
好みとか趣味とかも一緒だった
運命だと思った
だけど彼女がいることを知り諦めようと思った
新堂さんが京都にいることを知り
気持ちだけ伝えあたしだけの片思いで終わらせようと決めた
決めたのに新堂さんがあたしを受け止めてくれた
その優しさをあたしは利用した
涼汰がいるのに
雅昭さんにも彼女がいるのに
あたしは彼女の事を考えず自分の事しか考えてなかった
「あたし…最低だよね…」
涙がポロポロ溢れた
私達4人はお互いの相手の事も考えず
自分達の事しか考えてなかった
そう思うと“罪悪感"が一気に込み上げた
でももう既に遅かった
後悔しても一度過ぎた時間はなかったことになんて出来ないんだ…
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