第18話愛情
私はあの後、昨日の事を忘れることに決めた。
そしてこれからは晋ちゃんに心配かけさせないようにすると決めた。
私は支度をし終えた後、朝食を食べた。
そして家を出た。
外では晋ちゃんが立っていた。
「おはよう、晋ちゃん!」
「おう」
そしていつもと変わらない日常が始まる。
「じゃあ」
「うんまたね」
そして私はゼミに向かった。
ゼミでは舞由香が席についていた。
「おはよう、円花〜!」
「おはようー!舞由香」
…いつもと変わらない日常
この時まではそう思っていた。
そして講義を受け終え、昼食の時間になった。
「円花、今日は食堂いける〜?」
舞由香に誘われたその時、
ブブ
スマホがなった。
「あ、ちょっと待って!」
「うん?」
画面を見ると晋ちゃんからのLINEだった。
『円花、一緒にご飯食べよ』
「誰〜?」
「あ…晋ちゃんからだった。」
「何て?」
「お昼食べようって…」
「え~珍しい!!」
「…だよね」
こんな事今までなかったのに…
「円花愛されてんね〜分かった!行ってきなよ〜!
また、誘うからさ」
「でも…」
「初めての彼氏なんだから大事にしないと〜!
ほ〜ら!行っといで〜!」
「ごめんね…。舞由香…。」
そして私は、荷物を持ちゼミを出た。
私は晋ちゃんにLINEをした。
『お待たせ、どこ行けば良い?』
『テラスで待ってる』
テラスに向かうと、晋ちゃんが座っていた。
「晋ちゃん、お待たせ!」
「円花、来てくれてありがとう。」
「ううん。」
「食べよ。」
「うん!」
そして私は、お弁当を広げた。
その時晋ちゃんが口を開いた。
「…美味そうだな。」
「一口食べる?」
「うん」
その時晋ちゃんが、口を開けた。
「え!?」
私はびっくりしていた。
「ちょうだい」
(こ、ここで!?)
周りの人が私達を見ていた。
「晋ちゃん…ここ大学だよ?」
「別に良いじゃん、皆してるし。」
「そうだけど…。」
「ほら、早く」
「わ、分かった。」
そして私は晋ちゃんに、アーンをした。
(こ、これがアーンか…恥ずかしいな…。)
「やっぱ美味いな、円花ん家の料理。」
「…ありがとう。」
「なあ、円花これからも一緒に食おう。」
「え?」
私は、箸が止まってしまった。
「嫌?」
「嫌じゃないけど…。」
「じゃあ良いじゃん。
俺、円花とは大学で一緒でも、昼しか会えねーんだよ…。
最近デートしてないし…。
友達とは、ゼミで一緒だから別にいいだろ?」
「う、うん…。」
晋ちゃんの様子が、明らかにいつもと違ってた。
怖かった…。
だけどそれは、私を好きでいてくれてるからなんだよね…?
「サークルない日は一緒に帰ろう。
俺は円花と一緒にいれるだけで満足だから。」
「私も…。」
「良かったー…。」
そう言って晋ちゃんは、ご飯に食べ戻った。
そしてしばらくして私達は、ご飯を食べ終えた。
「ごちそうさまでした。」
「じゃあ、行くわ。」
「うん、またね。」
そして私は、ゼミに戻った。
「円花おかえり〜!どうだった〜?」
舞由香が声を掛けてきた。
「…これからも一緒に食べようって言われた。」
「うわ…マジか…やりすぎじゃね?」
そう言った盟加の顔は引いていた。
「まあ、けど今まで食べてなかったんだから良いじゃ〜ん!あたしらの事は気にしないでよ~!」
舞由香はそう言って、励ましてくれた。
「ごめんね…。」
私は皆に、謝った。
ゼミが終わり、帰宅時間になった。
「まあけど、円花愛されてるよね〜!」
舞由香がニヤニヤしていた。
「…そうなのかな?」
「愛してるから、束縛するんだよ〜きっと〜!
良いなあ〜!愛されてる証拠だよ〜!」
「いや、ウチ絶対ムリ!…美菜もムリ系?」
盟加は否定していた。
その時、美菜の顔が少し元気がない気がした。
「…うーん。私も…苦手…かな…。」
「え~!こんぐらいで〜?皆、そうなの〜?あたしは全然気にしなーい〜!」
「…逆に舞由香はどっから束縛なわけ?」
「え〜?うーんあたしは何か服の事指摘されたりー
男性と目会ったぐらいで文句言ってきたら
さすがに萎えるかなー」
「あー…それは完全にアウトだわ」
(そっか…束縛ってそういうのか…)
「まあ円花、もし耐えきられないならすぐに言った方が良いよ」
舞由香はそう言って、アドバイスしてくれた。
「そうだよね…。分かった、ありがとう。」
「じゃあねー」
そして私達は別れた。
歩いている時、晋ちゃんからLINEが来た。
『今どこ?』
私は返事を返した。
『あ、ごめん、、。もう今、家の近く…。』
『そか、ずっと待ってたんだけど。
今日サークルなかったから』
「そうだったんだ…」
『ごめんね…。』
『良いよ。サークルのスケジュール表送っとく。』
そしてスケジュール表の写メが送られてきた。
『このスケジュールで活動ない日は一緒に帰ろ(^^)』
「晋ちゃん…。」
私は、返事を返した。
『うん、そうだね(^_^)』
「返信っと…」
私は、愛されてるから…
晋ちゃんは私を好きだから…、だよね?
だから…、こんな事するんだよね?
その時さっき舞由香が言っていた言葉を思い出した。
《愛してるから束縛するんだよ》
そうだよね…
私は愛されてるんだよね…
だったら私もそれに応えないと…
…けどこの考えが間違いだった。
だから後でボロが出た。
これが晋ちゃんからの私に対しての"愛情"だと
この時はそう思っていた…。
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