第19話 閃光が真っ直ぐ向かって来るのです


「お姉、今すぐ撤退!」

「え?」と、お姉が眉を跳ね上げる。

「ど、竜娘ドラゴンが……」

「ドラゴン? 竜がどうしたのよ?」

竜娘ドラゴンが……こっち向かってブレス吐いたよ」

「ブレスって口から吐くアレ?」

「そう、とにかく今すぐ全員どっか転移して!」

「どっかって、いきなし言われても」

 困った様子で周りを見るお姉。周囲の面々はすっかり出来上がってる様で、すぐにでも敵陣に攻め込まんと殺気立っていた。だが、そこへ――

 遠くから光がキラリと閃いた。ヤバい……来る!

「ああ、もう面倒臭い!」

 吠えたお姉の瞳が金色こんじきに光る。

 刹那、閃光が眼前に広がって街を飲み込んだ。

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