マリカ

 その頃、大統領もといジャスティン邸では・・・。

 地下室で、ミルが裸で透明の液体が入ったポッドに直立で浮かんでいた。髪の色は赤いままだ。

 その隣ではアクセルが待機している。

 ミルの様子を伺い、ジャスティンは満足げな顔をしていた。

「マリカ。ついに最終段階まで来たか。ラグランのおかげだな。」

 ジャスティンはミルのことをマリカと呼んだ。

 そこへ、コツコツと足音を立てながら秘書のローラが入ってきた。報告をする。

「ジャスティン様。ラグラン様はどうやら今日中にいらっしゃるそうです。」

「そうか。・・・アクセル、マリカを最終形態に調整しろ。」

「かしこまりました。」

 アクセルが執事のごとく丁寧なおじぎをする。

「この国を。いや、世界を暴走させる。」

 ジャスティンはミルの入っているポッドを丁寧に触りながら、つぶやくのだった。

「愛している、マリカ・・・。」


 そして、ラグラン達は大統領邸へと向かっていた。

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