来訪者

 ミルが連れていかれて1日が経った。

 あのあと、ラグランがミルを追いかけるため、大統領宅へ押しかけようとしたが、警備の問題があるでしょう!とモイにたしなめられ、ひとまずおちついて自分の会社兼自宅『アブソリュート・デルタ・カンパニー』へと戻っていた。


 ラグランは落ち着かず、椅子に座りながらイライラと机を指でコツコツと叩いていた。

「どうしたら、親父の場所に行ける、モイ?」

「そうね~。とりあえずセキュリティは万全だろうし、どうしたものかしら~。”ひとまず”さよならと言ったアクセル君のセリフもきになるし、待ってればあっちからまたコンタクトしてくるかも。」

「それまで待てってか。」

「ラグ。ほら、コーヒー。」

 ルーンが渡してくれる。ありがとな、と言いながらもラグランは落ち着かない。


 そこへ、受付から通信がつながる。

 なんだ、とラグランは応える。

『そ、その。どこかの会社の秘書という方が社長にお会いしたいと。』

「社名は?」

『それは社長に会わないと言えないと。あの、お帰りいただきましょうか?』

「いや、ラウンジに向かう。そこで待っててくれと伝えてくれ。」

 はい、と言って受付嬢は通信を切った。

「早速、来たみたいね。怪しいわ。タイミングが良すぎる。」

「モイの言った通りになったね。」

 ルーンは少し驚いている。

 3人でラウンジに向かうことになった。

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