告白

 あれから一週間。

「ん・・・。」

 うっすらと目を開けるミル。傍にはラグランがいる。

「ミル!目を覚ましたか!!」

「ラグラン・・・。おはようございます・・・。」

「ああ、おはよう。」

 ガバッとミルに抱きつくラグラン。

「良かった・・・本当に・・・。」

「ら、ラグラン!?ああああの・・・。」

 ラグランはミルを抱きしめながら、なんだ?と答える。

「そ、その・・・痛いです。それに・・・恥ずかしくて・・・。」

「す、すまん!」

 慌ててミルを離す・・・と思いきや再び抱きしめる。今度は優しく。

「・・・ラグラン・・・?」

 どうしたんだろう、と思いながらミルは優しく抱きしめられる自分を不思議に思った。でも、心地よい。

「すまない・・・。お前を離したくない・・・。お前を守ってやりたい。・・・好きなんだ。」

「す、すすす好きって・・・ラグラン!?その・・・あの・・・。」

「お前はどうなんだ?その・・・俺のこと・・・。」

 しばらく沈黙が続く・・・。

「・・・ボクも・・・好きです・・・ラグランのこと・・・。」

「そうか。それを聞いて安心した・・・。」

 お互いの意思を確かめた後、二人で抱きしめ合うのだった。そして、キスをしようとするラグラン。それを受け入れるミル。

「ん・・・。」

 まだお互い照れてしまい、ぎこちないついばむようなキスだが、お互いの愛情が伝わってくる。

 しばらくの余韻のあと、ミルは尋ねてみた。

「あれから、ボクのこと何か分かったんですか?」

「まあ・・・な・・・。」

「教えてほしいです!お願いします!」

「それにはモイ達の許可がいる。一緒に来てくれるか?」

「はい!あの・・・その・・・。」

 どうした?とラグランはミルに尋ねる。

 ミルは顔を真っ赤にしながら、

「手をつないでも・・・いいですか・・・?」

「ああ。一緒に行こう。」

 手を差し伸べるラグラン。そしてそれに答えるミル。

「はい!」

 まだ恋人つなぎではないが、手をつなぎながら部屋を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る