目覚めて…

 ルーンとミルが廊下で待っている。実際には1時間くらいしか経っていないが、とても長い時間ここで待っている気がする。

 すると、メディカルルームからモイが出てきた。

「モイさん!ラグランは!?」

 モイが、しゃがみながらミルの肩に手を置き、ラグランの様態を話し始める。

「毒は取り除いて、今は眠っているわ。いつ醒ますかはわからないけど…。良かったら側にいてあげて。」

「はい!」

 ミルは目に涙をためながら、ラグランのいるメディカルルームに入っていく。


「ところで、ルーン。ラグランが毒にかかった原因って心当たりある?」

「多分、あの時だと思う。」

 ルーンは戦闘型ロボットと戦った時の事をモイに話す。おそらく毒にかかったのはロボットに捕まれた時だろう。

「そうなのね。アンドロイドのアクセル君か…。一体誰の指示で動いてるのかしら、気をつけないといけないわね。よし!私も色々調べてみるわ!」

「頼んだよ、モイ。」


 メディカルルームでは、ラグランがベッドの上で眠っている。傍らにはミルがいた。

「ラグラン…。」

 ラグランの手を握りながら、心配でたまらない表情でいる。

 どうか目を醒ましますように。


 しばらくそうしているとラグランがうつろだが、目を開けた。

「ラグラン!?」

 驚いてラグランの手を握っていたミルの手は離れた。

「もう少しこのままでいてくれ…」

 そう言って、ミルの手を握るラグラン。

 その行為に驚き、赤面してしまうミル。

「あ、あの!ラグラン…!?」

「もう少しこのままで…母さん…。」

「寝ぼけてる、ふふっ。」

 そのまましばらくそうしている二人だった…。

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