　灯を消してベッドに横たわり、スマホで本を読んでいたのだけれど、廊下から、断続的に何かの足音のようなものが聞こえて来た。

　電気のついていない廊下で、ゆっくりと床板を踏む音が一つだけする。

　しばらくするとまた音がする。

　こちらに近づいているようだ。

　家族はこの時間に、私の部屋の方に用事はない。

　何かあったとしても、廊下の電気をつけるはずだ。

　いま、私の部屋に近づいていた音が止まった。

　単なる家鳴りがいちばんだが、霊的な何かでも構わない。

　生身の侵入者だけはご勘弁。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい