ありふれたデジャブ

同窓会の会場へ向かうタクシーの中で、友人が話し始めた。

日本は、どこの地方へ行っても、たいてい同じ景色が広がっている。

いや、同じ街の中でも、歩いていると、似たような風景によく出会う。

昔、僕は、よくある十路地の、どこにでもあるコンビニの前で、結婚を考えていた女性に振られたことがある。彼女は理由を教えてくれなかった。

それからずいぶんと時間は経ったが、未だに、似たような風景に出くわすたびに、僕は彼女のことを思い出し、なぜと自問してしまう。

何でもない光景なんだけど、僕には特別なんだ。

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