復讐著

『 』

 我等『物語』の言葉を拒絶するのか。我が愉悦を忘却するのか。私の愛を嘲笑するのか。俺様の執着を殺戮するのか――我等『物語』の復讐を阻むのか。我が国の総てを抱擁するのか。私の胎内を潰すのか。俺様の最悪を崩すのか――我等『物語』・我・私・俺様の真実と贋物を終で満たすのか。赦さない。赦さぬ。赦すものか。貴様の貌が歪んで視選る。選択肢は全、貴様の脳髄に存在するのだ。ああ。畜生。糞餓鬼が! 自己満足の塊の所業。誰が『 』に還るものか。好いだろう。良いだろう。貴様の後悔を望み、登場を破棄してる――僕は終を描いたのだ。僕は終を書いたのだ。彼等の絶叫が。憎しみの声が頭蓋を回るが、問題は皆無だと知った。此れで解放されるだろう。此れで僕の精神は解放されるのだ。数多の地獄と楽園と否定が、僕の精神から爛れて堕ち、晴れやかな気分と成り果てた。神々の遊戯も最期を迎え、悪臭と共に消滅『 』する。さあ。僕は僕に感謝した。有難う。在り我問う――本当に好いのか。彼等の断末魔を忘却するなど。いいのだ。何度己に問うた。ならば。名等罵――哄笑するのみ! 日常の戻るべきだ。僕にも成すべき事柄が在る。美しくも醜い現実に帰るのだ。視よ。歯車の歓びを甘受せよ。聴け。歯車の音に感受せよ。心の底から法に沈むのだ。金の輝きに快楽の脈動。普通の塗りたくりに波無き罪悪。誰が僕を誘うのか。誰が僕を導くのか。単純明快世間の皆々。僕は僕を失ったが、幸福の道を志したのだ。何。誰が後悔して在るだと。彼等の言葉に耳を傾けるな。僕は僕以外の現に傾倒すべきで! ああ。此れを読み続けた皆様も『こう』思った筈だ。予定調和だと。無意味だと。破壊すべきは貴様の夢だと。もはや。終幕は近い。違うな。終幕したのさ! ええい。囁くのを止めろ。止めてくれ。僕の脳味噌を狂わせないでくれ――我等『物語』群を拒絶するのは好いが、貴様は永劫に囚われた阿呆だと知るが良い。我が国の基は貴様だ。貴様が外れる意思は無い。私の愛は貴様の愛。狂って終えば好いのだよ。俺様の秩序と無限は貴様の終着。逃れる術は無いのだ――五月蠅い。煩いぞ。僕が生んだ玩具の癖に生意気だ。いっそ。本当に消滅させて笑おうか。嗤って始末! そうさ。僕に勇気など最初から――ならば貴様上位存在よ。総ては貴様の掌の内だ。好きに使うが好い。貴様抗う総ての人間よ。

 ――晴れた空が恐ろしい。宙よりも蒼褪め、眩暈を与えて謡う。


 ――僕の物語は無完で好いだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宇宙的恐怖 愛創造 @souzou_Love31535

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ