正義
俺の国の諸々を晒し尽くしたが、尽くすほどの域には達せず、淡々と冒涜を語るのみ。騙るだけの王様に価値など無く、在るのは裸体以上に恥辱的な輪郭だけだ。故に俺は自らの精神に糺そうと思う。此処に正義は存在するのか。悪でも善でも何でも好い。俺の根底には正義は存在するのか――答えなど。最初から決まった裡。正義は確かに存在するのだ。俺の正義とは歪の所業。己も他者も全を纏めて『否定』する空間だ。ああ。そうだ。貴様の思考通り、俺には種も仕掛けも無い。王を続ける事も困難に成り始め、物語で吐いた冗長の反芻と果ては同じ。取り敢えず。俺は俺の世界に、再び篭って終おう。最後に。
【冒涜】神聖。尊厳なものを 穢し、傷つける事
神聖も。尊厳も。穢す事も。傷を憑ける事も。
俺には不可能だったのだ。
理由だと。ああ――そもそも。それらも本当に在ったのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます