魂の重さ

 殺戮された物語に嘲笑在れ――俺は俺の使命を成し遂げた。否。遂げずに存在する程度だ。其処に留まるだけで王は成立する。地獄の頭も楽園の尻尾も同等だが、継続よりも停滞が理想最低で在り、俺の脳髄に埋め込まれた泥の塊。兎角だ。俺の国が創造された際、思考すべき点が流動した。魂どもの濁流。強烈な重量の氾濫で在る。統べる力は不要だが、留める器は必要不可欠。故に俺は俺を拡張し、茫々とも適当とも呼称可能な世界を創った。名を『普遍的無意識領域』と説いた。人類の感情は根本で繋がりを有し、恐怖や愉悦に満ちて在る。溢れ続けて在った。此処に俺は蒐集と収縮を齎したのだ。ああ。偉大なる種族の交換とは違い、俺は俺自身で超常を『 』に収めた。勿論、俺の魂は魂の蜿蜒で溺死する寸前まで陥る。されど冒涜の王を自称する現在、俺は如何なる困難にも立ち――嘲りながら。罵倒しながら。蠢きながら――向かうのみ。俺に真実を暴く権利は無く、在るのは発く方法だけだ。さあ。夜鷹の鳴き真似を発せ。啼き真似を発せ。無き真音を響かせ、最悪を覗き込むのだ。何で在れ、俺は人間の王様だったのだ。を示すのだ。ああ。大いなるノンよ。現こそが発揮の刹那。如何か。俺に器を与え給え――結果。俺が理解した事柄は。


 のだ。

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