証明殺し

 俺の国に混ざった、冒涜に相応しい存在どもは悉く嘲笑された。奴等の存在は分岐され、俺の輪郭も――王が正しい可能性と王が殺戮された可能性――枝分かれ。故に総ての証明は崩壊し、虚空へと墜ちる愚者が如く。ああ。終った。語るべき題名を回収して終った。俺の頁に短文だけが残るのは『当たり前』だが、此処まで酷い文字数は久方振りだ。怠惰な現実世界の住人……俺が直々に物語を綴って魅せよう。何。王の話も拙いだって。正解だ。冒涜の頂が意味の有るものを筆で描くものか。記すものか。賢い民に哄笑を与えよう。交渉するには種も糧も何のだが――言葉での戯れは終いだ。仕舞い込んで魔を呼ぼう。呼ぶ必要は死んだ。俺は遍く超常も唾棄するのだ。取り敢えず。ええと。物語を始めよう。酷く滑稽な復讐劇を――https://kakuyomu.jp/works/1177354054883843264/episodes/1177354054885962187――素晴らしい。此れが暗黒神話大系への憎悪だ。俺に最も好ましい、最後の栄養素だ。緩やかに腰掛け、再読しよう。誰が何者かと。貴様は俺に訊ねるのか。答える必要は皆無。所以だと! 冒涜王は奴が果たした復讐の副産物で在……冗談だ。混濁させる存在など、殺された証明に過ぎぬ。

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