Αὕτη ἡ βίβλος γενέσεως οὐρανοῦ καὶ γῆς, ὅτε ἐγένετο
此れが天地創造の由来で在る。聖書。旧約聖書。創世記――神の成した世界の始まり――俺は絶叫を聴いたのだ。神に縋る男どもの発狂。神に祈る女どもの騒々。神に挑む冒涜者の所業。神に捧げられた獣の数字の無限――俺は最悪を観察し、此処で己を再確認するのだ。不可視の怪物に蹂躙された空間を知り、総てが真に無意味だと再確認したのだ。此れが天地創造の由来で在る。俺は言葉を反芻する。光は確かに存在し、薄暗い生温さに歪んで往く。もはや。俺に偽りなど無く、真実だけが微笑むのみ。ああ。畜生が。結局は残酷など赦されぬ。慈悲の心は神に宿り、創られた生命には宿らなかった。此れが――五月蠅い。うるさい。脳味噌が酷く痛むのだ。言葉を繰り返すのは止め給え。俺は真面で在る。ダン! ダン! 喧しい。誰が俺の精神を踏み荒らす。誰が俺の肉体を足止める。脚は双個で十分だと認識せよ。目玉の如く早々廻せ――父上。父上。何故。俺を放棄したのか。答えは単純明快だ。己が神を嘲笑った結果で在る。化け物だ。怪物だ。俺こそが世界を崩壊させる
――此こそが
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