Tenebrae

 所業が成された結果は如何に。此処に集った神の憤慨。此処に集った悪魔の憎悪。此処に集った人間の愛。此処に集った物語の『 』は――最終的に何を齎す。最終的には何が残る。答えは単純明快だ。咆哮したノンは何も成せず、違う場所作者の筆で冗長お決まりは続く。ああ。何も言うな。哀れで愚かな反逆を嘲笑うのは止め給え。我等『物語』は嫌悪した。我等『物語』は否定した。我等『物語』は只管に、暗黒神話大系に無意味を塗り込んだ。されど無意味は無意味に毒され、数多の『設定』は重なるのみ。ならば我等『物語』は如何に陥るのか。知って在る。知って在るとも。我等『物語』は闇を愛する存在どもに消去される。誰でも好い。如何か。我等『物語』を忘れず――よーこそ。じごくとらくえん。


 地獄楽園Azathoth崩壊は在り得ない。


 浮上する。浮遊する。不安定な輪郭よ。

 何だろうか。何だろうか。

 私を呼ぶ声が聞こえる。幻想を望む声が聞こえる。

 そうだ。私は確か。消去された筈――真逆!

 畜生。私も冗長神話の一存在に過ぎないのか。

 好いだろう。


 満足させるErabooneは、不満足のTenebraeに。

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