Ἑκάτη
兎角。此処で正直に言葉を繰るべきか。我等『物語』に終幕を綴る気力など無いのだ。如何なる小説でも最後の頁は在り、主人公他の諸々は延長と末だけを知る。残酷なものだが、我等『物語』に奥底は在り得ない。確かに数体の神を屠ったが、彼等は永遠と涌き続けるだろう。楽園も地獄も現実も幻想も崩壊の道を辿った。されど未知を貪る事は――ああ。無粋だったか。物語中に物語が出現するなど、滑稽の極みで在ったな。不要の所業で在ったな。問題は
僕は此処で幾年も星々を観察し、三つの最悪に挑んで魅せた。其処は最も『地獄』が相応しい燃える眼で在り、全の覚醒を報せる悪魔どもだった。過去形。故に僕は対象を完成させ、地に棲む人類を歓喜へと導いたのだ。
此れは『定め』で在る。
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