ゴミ

 狂った詩人は神々を綴り、既知メジャーなる神々を冒涜した。否。世界に真実を伝えるべく、己の知識を撒き散らした。最も賢き詩人曰く――That is not dead which can eternal lie,And with strange aeons even death may die――死を拒んだ存在の屍、永劫の如く咆哮する。旧支配者の貌を忘れるな。彼等の盲目性を無碍に扱うな。必ず人類は彼等の膝元に還るだろう。故に詩人は思った。想い続けたのだ――神の為に名前名状し難いを轟かせるのだ。生命が愚を辞めるまで――詩人は朝晩と魔を綴り始めた。緩やかに。激しく。震えながらも神々を描き、嗤い尽くす。だが。ああ。神の眠りは鎮静せず、生命の群れは莫迦を啜るのみだ。詩人は溜息を吐いた――畜生。生命体が此処まで阿呆だったとは。私も阿呆だ――神は貌を傾けない。神は耳を携えない。生命も貌を傾けない。生命も耳を携えない。成程。神々が創造した生命など。生命に似た神々など。糞の溜まりと違いない。詩人は絶叫した――神々も生命も同じだ! 私は。もう。疲れ果てたのだ――白昼太陽が。白昼アザトースが。言葉を聞いて刹那の理性を取り戻した。極光オーロラが降りる。極光ナイアルラトホテップが降りる。極光が生じた……詩人は肉も精神も失った。残ったのはQuachil Uttausで。

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