咽喉
現実問題、咽喉の有無は思考すべき所以だ。発声飲食他諸々人間には必要不可欠な部分だが、死を齎す原因でも在る。今日こそが殺戮兵器を量産する『正夢』だと理解し、我々は危機を監視せねば成れぬ。ああ。口を侵蝕する白の粘りに滅在れ。されど不可能なのだ。奴等の魔力は人間を惹き寄せ、伝統の鎖で捕縛する。故に私は決断した――人類の咽喉を無くせば好い――と。勿論、世の人間どもは困惑疑念に満ちる筈だ。だが。心配は不要だと宣言する。何故か。答えは簡単だ。人類が飲食無意味な『生命体』に進化すれば良い。方法も既に発見済みよ。先ずは首を切断する。頭部を特殊な容器に入れ、半永久的な生命維持を施す。完璧だ! 何。某所の地球外生命体が成した『脳摘出』の技術だと。貴様は阿呆か! 此処に在るのは人類だけの宝箱。誰が何を吐こうと、私の存在が為した偉業を留める事は不可能。並べ。其処の物体。全人類を集めるのだ。私こそが『神の意志』だと報せ給え! ああ。肉体を有する最後の日だ。折角だ。満腹まで……!
神の意思が嗤い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます