壁を殺せ!

 私は人間に憤慨を覚えた。違うな。私は人類に粘着した、精神の在り方に憤慨を覚えたのだ。悪魔の囁きが天使の歌声に転化される事柄など在り得ない。されど人間は不可能を可能だと嘘を吐く。酷いものだ。人間性を失った際に『それら』盲目性は死滅するのだが、根源を殺す術など誰を有さず。否。有する方法は知って在る筈だ。結局は恐怖に――言い訳を呟いて――生温い現状を謳うのみ。故に私は憤慨を掲げ、此処に強制的な『真の認知』を宣言する。人類の生誕から現れた、悪夢への絶対的【虚】絶壁を壊すのだ。さあ。始めよう。彼等が彼方側で……嘲笑うぞ。微笑むように。人類の真価を舐って在る! 取り敢えず。其処の貴様に協力を願う。何。不協を望むのか。ああ。残念だ。私は非常に残酷な人間鉄槌なのだ。殺すべき壁に躊躇を晒すとは何事か。視るが好い。筆を執った貴様は私に屠られるのだ。そうだ。それらはそう『成る』べきだ。糞野郎! 貴様は筆を投げ捨てろ。簡単な事柄だろう。現実から双眸を逸らすな――それでi~

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