第4話 自国民は欺けても他国民や他国の軍事組織は欺けず

いにしえより書籍や文書、あるいは演説は世の流れを変えることも多かりし。

 しかるに多くの災いを本人に及ぼす例も多かりし。高野長英なる江戸時代に末期に生きた蘭学者の例も、その一例なり。彼は「夢物語」なる短い書籍を世間に流布させたがために家族を失い、自らの命も絶つ悲運に遭遇せり。

 先のごとく例は歴史上、枚挙がないはずなり。

 我も同様な体験をしたやも知れぬと思いのために、我は暑き時期は山の頂、寒きおりは南へと風とともに旅を枕に書き続けることとしたり。

 

 今回は防衛大学校在学中のことを思い出しまとめてみようとも思しが、すでに四十年近い昔のことにて記憶も定かでないこと多し。また辛いことや、屈辱的なことが多し。あるいは人の常にて自己を弁護することを書き残す恐れもありと思う。

 そして、それに続く陸上自衛官としての三十数年以上に及ぶ月日も辛く屈辱的なことの連続だったと、最初に告白し、書き進めるしかなかりけり。しかれど、なればこそ、我にしか出来るのことと思い、蛮勇を奮い立たせ挑まんと欲すところなり。

 今、我が主張する陸上自衛隊の存在に疑問を投げかける提案は、実は三十数年前の防衛大学校時代に提案したることなり。早速、自己弁護をと非難を受けるやも知れぬが、事実のなりしと主張するしか他はなし。

 山口県出身の上級生に大きな波紋を与えたことも事実あったと思いたり。山口県というと、もちろん長州であり旧陸軍の頭目である山県有朋や田中義一元首相の出身の土地でもありたり。当時、自己の言動がどこまで波紋を投げかけたが不明なりしが、今、思い出すに卒業し海上自衛官として任官する上級生から励ましの言葉をを受けたこともあり、山口県出身の陸上自衛隊へ進む上級生に偉くなってから変えろと言われたことも記憶に残りたり。もちろん強く反論する上級生も存在したり。我は自分も気付かぬ内に危険な虎の尾を踏んでしまったようなり。それから4年間の在学期間を同じ中隊で過ごすこととなりしも、そのせいなるやも知れぬ。今は、あるいは保護下に置かれていたやも知れぬと思いは飛躍せる。

 当時、バトル オフ ロイヤルというナチスドイツとイギリスの狭い海峡を挟ん学校での映画鑑賞も大きな意味があったとようにも思い至りぬ。すべて些細な出来事だったやも知れぬが、しかし陰には大きな力が働いていたようにも感じたり。それが、よく自衛官として残ることができたなという陰口を叩かれながらも、残れた理由だったと思いたる最近なり。


 もちろん最近の陸上自衛隊の訓練など知る由もなし。あくまで七年前のことなり。陸上自衛隊は対抗部隊甲、乙、丙という敵を想定し、装備を揃え訓練を続けていたはずなり。対抗部隊甲とは旧ソ連なり。対抗部隊乙とは中国なり、対抗部隊丙とは北朝鮮のことなり。

 特に冷戦時代から旧ソ連を敵と想定したり。旧ソ連が崩壊した後も、その傾向は大きく変わらなかったはずなり。しかし我の恐怖するのは対抗部隊乙の中国だと思いたり。反日教育を徹底や日本周辺での大きな戦禍はベトナムでのベトナム戦争なりし。危機は北では南で起きる感じたり。出身が奄美大島であり、先述した反日教育と、中国の人海戦術と人口膨張政策が頭から離れなかった由かも知れぬ。

 心の底に不安や脅えを感じても何か出来るはずもなく、年を重ねるにつれ、ひたすら静穏を保つことが抑止力や日本の平和を維持する道なりと思い込む日々が続きたり。そのことで我自身は大人になったと思うようになりにけり。


 我が危機感に焦りしことは、2011年3月11日の福島原発事故の時なり。理由は陸上自衛隊の本当の姿を国内外に露見したりと思った所以なり。当時、我は倉庫での仕事で収入を得たり。東日本大震災や津波のことはテレビで知りたるが、副島原発の全電源停止という異常事態は帰宅し、深夜に知りたる。その時は陸上自衛隊は出動したるはずと期待をし、陸上自衛隊が出動し異常事態を回復せぬ時は諦めるしかないと思いつつ、当時、政権与党の有力代議士に激励のつもりで連絡をした後に床につきたり。

 しかるに、その後のマスコミ報道やNHKの報道番組を見るに付け、不明なこと多し。

 翌日、菅直人元首相の現地視察を迎える陸上自衛隊の消防車を見た時に不思議に思いたるが、陸上自衛隊が出動している旨、国民に伝えるべき、偽装工作をすでに始めたるにあらざるや。

 書籍の一部にも出動したごとき記述が残りたるが、一方では東京電力の要請によると思われる奈良主張中の東京電力主張中の社長を名古屋から東京へ輸送中の航空自衛隊輸送機を引き返させたることや、同じく東京電力から要請のあった高電源車の大型ヘリでの輸送を不可能だと拒否したりしが、後日、検証の結果、可能なりしという結論を得たなどという報道にも接し、我の疑惑は膨れる一方なりし。

 多くがフェイクニュースという類の分野にあらざるや。

 国民を騙しおおせても、諸外国の軍事筋は欺けず。発覚した段階で戦後、五十数年続きし静穏の砦は崩壊したと認めるべきことなり。

 やがて菅直人元首相が3月11日の午後8時には防衛省に対し出動命令を発したことを知りたるに、民主党政権に真実を調査し、誠実に国民に伝え、危機管理や安全保障体制を整えるべきことなり、特にオリンピック開催の時期までに改善をすべしと提案し続けるも動きはなし。

 やむを得ず提案を追加したり。福島原発事故資料館建設を行い、東京オリンピック時期に合わせて開設すべしと。名誉回復をと叫ぶ菅直人元首相にも原発事故資料館建設の必要性を提案するメールを送りたり。我の提案が実って否か不明なりしが、福島県内の双葉町なる町ににアーカイブ館なるかものを建設しオリンピックの時期には開館する準備を進めている旨を知りたり。展示資料が揃わず、開館後も資料の充実を続けざる得ざるともやむなしと感ずる。


 国際社会の中で日本が頼りにしていた静穏の砦が脆くも崩壊したると言う証は、中国漁民の東シナ海や小笠原諸島での密漁や傍若無人な振る舞いや、北朝鮮がミサイルが容赦なく日本上空を飛行させたることや、日本漁民が生活の頼りにしていた日本領海内での北朝鮮漁民の、これもまた傍若無人な振る舞いでも明らかに見たる。


 防衛大学校在学中に上級生から叩かれし以来、声をひそめし陸上自衛隊存在の必要性について我は声高だかに疑問を投げかけたり。航空自衛隊、海上自衛隊、海上保安庁、そして警察等々の増強を行う必要性を説いている。特に日本人と同じ見分けの付かない黄色人種の国々が有事の際に国家総動員法による外国に居留する自国国籍者に蜂起を呼びかけると宣言していることからも、陸上自衛隊ではなく警察による常日頃の警備が最優先されるはずなり。現実にに長野オリンピックの前には、あたかも予行演習のように多くの在留中国人が故国の呼び掛けに応じ、群衆を作った例もありたる。故国からの指示に逆らえば、故国に残る縁者に害が加えられる恐れもあることは明確なり。彼らのうち一パーセントでも有事の際に日本国内でテロを企ててることで日本は大混乱に陥ることは必定なり。乱暴な武力のみがテロにあらず。電車を意図的に止めることも国民生活に大混乱を及ぼすことなり。

 

 もともと日本のような島国で国内に敵の大兵力を迎え入れて戦うと言う戦略には無理も多し。とにかくレーダー網やミサイルなど対空火器や艦船の備えを重視し、空と海での防衛戦いを最優先し敵の大部隊の上陸を許さず、国内の軍事施設や原子力発電所等の防衛、人口密集地の大都市部でのテロを防止しつつ、出来る得るかぎり平和時の生産活動や教育など通常の生活活動を継続することが大事なり。あたかも米軍の空襲に晒されつつも人々が生活を続けた太平洋戦争末期の日本の姿を想像すべし。そのためにはテロ行為を行う恐れのある敵性外国人の本国帰国や、収容所への収容を準備することも必要たることなり。万が一、敵国に陸上部隊を送ることになるとしても、航空攻撃などで徹底的に敵国を叩いた後になるはずなり。

 すべてのことを考えても航空自衛隊や海上自衛隊、海上保安庁、警察への予算や人員の配分を重点をおき、人員や装備の補給元となる陸上自衛隊は解体はやむなしと思う次第なり。

 一方で2011年以降の東アジアでの東アジアでの軍事バランスの崩壊による不安的化に備えるために緊急やむを得ない処置としてオーストラリアやヨーロッパなど民主主義国家の保有する海軍力や空軍力の積極的な同地域支援を呼び込むことなり。帝国主義全盛の戦前ならあり得ない提案なれば、現代では害のない提案なり。代償として中東からの難民流入に苦しむヨーロッパ諸国が日本に大部隊の陸上自衛隊を送り込みアフガンや中東の国家再生に尽くすように依頼があった場合は応える覚悟も必要なり。


 副島原発事故で、日本の危機管理体制や安全保障体制の脆弱性を露見したはずだと思われしに未だ、日本の危機管理や安全保障体制の改革に手が付かないことは、まか不思議ななことなり。

 そのような温みきった対応も周辺諸国の嘲りを増長する理由にあらざるや。

 実現できるや否やは、現首相の覚悟に頼るのみ。

 しかして、ことがうまくいきたりと言えども、副島原発事故の傷跡は癒えず。

 経済的のみにあらず、国際的な信用失墜、紛争抑止力の低下などなり。

 自国民は欺けても、他国民や軍事筋は欺けるはずなかりき。

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