第23話
あれから2ヶ月が経過して、3月。
冬休み明けてからの2ヶ月は色んなことがあって、すごく早かった。
飲み会で口の悪さを指摘された父の自殺騒動
就職ガイダンスでの進路課の先生からのパワハラ
あのブラックバイトでのキツすぎる業務量
まだまだ話せばたっくさん出てきて、
とりあえず言えることは安藤先生の存在の大きさ。
安藤先生がいなかったら私は死んでた。
そのぐらい壮絶な2ヶ月間だった。
家族の仲は悪くて、父と母は口も聞かずにいて、話始めたと思えば喧嘩を始めたり、姉と私を比べてみたり。
大体の夫婦喧嘩の理由は私にある。
「お前がちゃんと千佳の面倒を見ないからだ!」と父が言い
「あなたも千佳のことほっといていたじゃない!」と母が言う。
私のことで喧嘩をする両親。
それを見て私を責める姉。
要するに私の居場所は全く無い状態だった。
学校でもあまりいい状態ではなかった。
就職ガイダンスに出ていた私。
進路課の先生は厳しい。と聞いていたが、厳しいというよりは酷い。
「この高校の生徒は正直企業にとってはいらない存在なんです。」
「企業からしたら欲しくない、取りたくない人材なんです。」
初っ端からそんなことを言われてやる気になるわけがない。
せっかく頑張ろうと思っていても「結局私たちはダメな存在なんだ」と思うばかり。
元々ない自信はもっと無くなって生きてる意味がないんじゃないかと思う
バイトはバイトで最悪だった。
店長が体調を崩して、その穴埋めをするのは私だった。
学生バイトなのにも関わらず勤務時間は7時間~8時間。
休憩は全くなしで、その上サービス残業。
なにかあったら怒られるのは私で、責任を負うのも私だった。
休日出勤も当たり前。発注なんてものまでやらされていた。
とにかく毎日ボロボロで、ついに自傷行為まで始めていた私。
でも、そんな私なのに安藤先生はいつでもそばにいてくれて、
いつでも私の味方でいてくれた。
いつでも私の心配をしてくれていた。
居場所だった。私の唯一の居場所でいてくれた。
でも、そんな先生がいなくなる。
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