第16話

学校からまっすぐ帰宅して自分の布団へダイブ。


どうしよう。これから。

ほんの数十分前にあんどーから言われたことを思い出す。


・・・・

「お前が死んだら少なからず俺は泣く。そして怒るよ。」



「信じてくれとは言わない。」



「こうして話してくれたこと、俺は嬉しい。」



「お前が話したいと思ったらいつでも聞くから。」



こんなこと言われたの初めてだった。

今まで高校生になってからはもちろんだけど、小学生のときも中学生の時も

私はずっと相談を受ける側だったから自分からは相談できなかった。

先生もそう。なぜか先生たちからも相談を受けていた。

だからずっと私の中でも、ほかの人の中でも、

「中田千佳は話を聞く側、相談を受ける側」

という固定概念ができてしまっていた。


だから自分の話をすることができなかった。

「私は大丈夫だよ。」なんて口癖のように言っていた。


そんな私が安藤先生には話せた。

不思議だった。

なんだろうな。あんどーといると安心する。

信頼できる。


しかも、大分重い話をしたにもかかわらず「ありがとう。」だなんて。

こちらこそありがとうなのにな、なんて思って

口では素直に言えないから手紙を書くことにした。




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