第3話

来るな、来るなと思っていても、先生だから来るわけで

教室に入って来たのは、いかにも新人先生というような若い男の先生。

ビシッとスーツを着て、今朝磨いてきたのかと言わんばかりにピカピカな革靴。

背は高くて、ひょろっとしていてまるで「もやし」のような体格。

顔はかっこよくもなければ、ブスでもない、馬のような縦長の顔。

日焼けをしていて、遊び人なのか?と疑ったくらい。

初っ端から2分遅刻というだらしない感じ。

遅刻して入って来たくせに謝りもせず自己紹介を始めた。


「今年からこの高校に赴任してきた安藤です。よろしくな。席は自由だから好きな場所に座って。じゃあ出席とるわ。呼び方間違えたらごめんな。えっと、最初は天野!あ、呼ばれたら返事してね」

そう言ってどんどん出席を取っていく安藤先生。


うわーーーー。無理。こんな先生無理。

怖い怖い怖い。パリピかよ。

まぁでも席が自由なら今座っている1番後ろの廊下側隅っこに座っていればいいか。

そんな中、出席確認は進んだ。


「はーい、じゃあ次!中田!」

「はい(小声)」

「あれ、返事が無いな、ってことは休みかぁ?おーい、中田~」

「は、はい!います!!」

「おー、いたか、ごめんごめん。声小さくて聞こえなかったわ」


うわーーーーーーーーーー!絶対無理!本当に無理!

教師のくせに遅刻するし、突然呼び捨てだし、言葉きついし。

ありえない。無理無理無理。絶対無理!怖い!


やっと出席確認が終わって授業開始。

授業中もランダムに指名するし、絶対無理なんですけど。

大勢の前で発言するなんて無理、間違えたら絶対笑われるし、無理無理。

絶対無理!!!!


最初の授業は最悪な地獄のような授業で終わりを迎えた。


あぁこれから気が重いな。


とりあえず後1コマ受けて早く帰ろう。


次は体育。偶然、由香さんも同じ体育だったのでなんとか大丈夫そうかな。

落ち着いたメンバーだったらいいな。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る