第4話

次の授業の体育はとても落ち着いたメンバーで和やかに90分授業を終えた。

並び場所も一番後ろの隅から2番目だしなんとか単位が取れそうだ。

よかったぁ。と安心して帰る準備をする。

由香さんのおかげで数人と仲良くなれて、そんな「友達」に「お疲れ様!じゃあね」と別れを告げて帰るために駐輪場へ向かう。


駐輪場へ向かう途中、安心しきったのか思わず心の声が漏れる。

「数学は先生が怖いけど、体育があのメンバーなら、なんとか体育だけでも単位を取ろう。」

その時、後ろから急に話しかけられた。

「あ、中田じゃん。なに、俺が怖いって?なんでだよ(笑)体育だけでもって、数学も単位取れよーー」


そう、話しかけてきたのは数学の安藤先生だった。

突然のことでびっくりして私は「あ、はい。」と返事しかできなかった。

そんな私のことは気にも留めず

「もう帰るのか?授業は?まぁ帰るなら気をつけて帰れよー。」と

それだけを言って足早に学校外に去っていった。


本当になんなんだ。あの人は。

人の話はまったく聞かずに自分の言いたいことだけを言っていなくなるなんて。

本当に無理。生理的に受け付けない。無理!怖い!嫌だ嫌だ嫌だ!


もう絶対安藤先生の数学は出席しない!!

決めたんだから!


と怒りと恐怖と不安が混ざった気持ちのまま授業初日を終え、自転車を猛スピードで漕いで家へ帰った。


あ、今日はバイトだ。

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