第2話
始業式の翌日から授業が始まった。
今日の授業は数学Ⅱと体育の授業だ。
1コマ90分授業というとても長い授業。
最初は数学Ⅱだった。
教室に入ると40人入れる教室はほぼ満席状態。
「あぁ、こりゃ落としたわ。」なんて最初からマイナス思考。
そんな中、顔見知りの人を見つけた。
人見知りのくせに1度見た顔は名前と共にほぼ忘れることはない私。
コミュ障の私が勇気を出して話しかけた。
「あれ?去年同じゼミだった由香さん?」
「あれ~?千佳ちゃん!同じ授業だったんだ!よろしくね」
由香さんは27歳の訳あり高校生。
20歳の時に入学。今年で7年目。そして卒年次。
自分もつらい過去を背負っているからなのか本当に優しいお姉さん。
由香さんと同じなら頑張れるかな。なんて案外単純な私。
授業まであと10分はあったので由香さんと話をしていた。
「由香さんはなんで数学Ⅱを取ったの?」
「うーん。なんとなく。卒業に必要な単位が欲しくて、この授業担当の先生が面白い先生だったから取ってみたの」
「そうなんだ!面白い先生ならよかったぁ。」
へぇ。適当にこの授業取ってみたけど面白い先生ならよかったぁ。
由香さんもいるし単位取れそうだな。
「あ、でもね千佳ちゃん!その先生、異動になって他の高校に行ったんだって。だから多分新しい先生が担当するんだろうね。どんな先生かなぁ。」
「え!そうなの?」
これは死亡フラグですね。終わったわ。
今年の新しい先生なんて若い人が多いって聞いたし、無理だわ、
落としちゃうのかな。
「あ、そろそろ時間だし先生来るんじゃないかな?楽しみだね!頑張ろうね!」
「あ、う、うん。ありがとう!」
あぁもう来るのか、どうしよう。
逃げたい、無理、帰りたい。
そんな不安ばかりな中、遠くから先生たちの話し声が聞こえた。
く、くる。
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