第14話

神社といえば、近所の結構有名なお宮のエピソードがあります。

ここは本来、密教寺院の敷地だった小山でした。お寺は今も有る

のですが、元々の規模からは随分と狭くなってしまい、また観光

客等の当地を訪れる人々も、寺院の事は知らない人も珍しくない

ようです。

10世紀初めの平安時代の事と、伝説では伝えます。ここに官公を

お祀りする社殿を建てる為の敷地をお借りしたいとの申し出があり

聞けば、「この藁を干せる程の場所があればよいので」と言うの

で、それなら…と許可したんだそうです。

藁束を干した途端、急に一陣の風が全山を覆って吹き荒び、あれよ

あれよと言う間、一山全域に藁が広がったと言います。

それで今では、当地は全くの神社地の様になってるという訳です。

別に怖い話でもありませんが、神威話の一例でした。

ちなみに、当社の神主家は嘗ての家ではなく、分家(?)に移って

いますが、理由は聞いた事もあるのですが(今ご存命なら、もう百何

十歳になられる故人神職さんに)事情があってこちらは公表出来ません。

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