第3話

同じ、大伯母のお話です。彼女は多分夢でだと思うのですが、やはり繰り返し見る

シーンがあると語っていました。

それは、どことも知れない四角いプールか池の様な水辺に、無人の小舟が浮かん

でいるという映像です。

誰も乗っていない舟は、決まって狭い池の端からもう一方の縁までツーっと音も無く

水面を進み、そのまま向こう岸の端にぶつかって、水中に沈むのだと言っていました。

大伯母には、見たことも行ったことも無い場所で、長い間不思議で仕方なかったそう

でしたが、ある時偶々東京大学の構内に行く機会があり、そこにはこの映像と全く同じ

小さな池と、小舟が実在していたそうです。


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