第2話

こちらも、大伯母の話です。

今度は、彼女本人の体験です。若い頃に耳を悪くしてしまった大伯母なのですが、面白い

事を聞いたことがあります。

毎晩布団で寝ようとすると、頭上の天井の暗がりの中で、自分自身が道路を横断している

映像が見えるのだと言います。さらに背後から大勢の人々がやって来て、同じように道路を

横断して行くのですが、決まって自分は彼らによって、あれよあれよと言う間に追い越されてしまうんだそうです。同じ方向を無音で横切って行く何の変哲も無いシーンなのですが、これが毎晩、就寝前に見るリアルな映像だったんだそうです。

別に、追い越されて悔しいとか怖いなどとかは特に感じなかったといいます。

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