今度は、ぐっと自分に近い出来事を

@y5yk

第1話

今度は、自分や身近な親戚、友人等の逸話やエピソードをいくつかご紹介したいと

思います。

 都内の親戚で、もう随分前に亡くなった大伯母の話です。

亡くなった時には103歳でしたので、古いお話をよく聞かせてもらいました。

また、本人の実家が旗本でしたので、幕末前後の江戸の町の夜がまだ真の闇であった

時代の体験談も聞きました。

大伯母の父だったか、祖父の話であったかは失念してしまいましたが、ある時、彼が所要で

出かけた折の事、夜も更けて目的地へと急ぐのですが、何だか気が付けば同じ所をグルグルと繰り返し歩いているんだそうです。向こうの方へちらちらと明かりが見えるので、そちらを目指して急ぐけれど、やはりまた元の風景となり非常に困惑したそうです。昼間なら迷う筈もない慣れた道です。それなのに、どうしても辿り着けずにへとへとになってしまい、やがて朝となって日が昇って見ると、目的地のすぐそこまで来ていたんだそうですが、全く気が付いてなくて、何であんなに一晩中、同じ所を巡ったのかと不思議だったと言ったそうです。

狐に化かされたんだろうということでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る