第3作品 『ラノベ「の」プロ!』

 アニメ化も果たした『異能バトルは日常系のなかで』を代表作に持つ作者、望公太の作品。


 前回の『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!』に続けてになりますが、最近増えたラノベ作家ものの作品。現在二巻まで既刊。


 自分がラノベ作家を目指しているからというのもあるのは間違いないけど、それを抜きにしてもラノベ業界の裏を知ることが出来て楽しいです。初動の重要さや、ラノベ業界の闇など勉強になります。

 ……まあ、実を言うと闇の部分ばかり曝け出されてる気がするのですが。

 それでも、作家としてのあり方や、基本、姿勢は本当に学べることが多いです。流石現役作家。

 特にラノベ作家は、アニメの原作を作る仕事じゃない。アニメの原作工場ではない。面白いラノベを作ること。

 アニメ化のことを考えた設定にしようとする新人作家に主人公が自分なりの想いをぶつける場面は中々思うことがありました。

 昨今では面白い小説を作ろうとした、その先の結果であるアニメ化を目標にする作家が多いと――。


 あと惹かれた部分で言えば、言葉選びと展開でしょうか。一々、そう来たかと感心させられてしまう。

 中々先のページを開かせるセンスが凄いかな、と。遅読の俺が、一気に読み切ってしまう程なので。


 とまあ、ここまでは序章として何と言っても、この作品はキャラが良い。どのキャラも素敵だけど、ヒロインの希月結麻きづきゆま

 勿論ビジュアルもそうだけど、一途な所、最高です。家事スキルあり、ラノベのことをよく知らないのに作家である主人公をサポートする。良いね、GJ!本当に可愛いです!


 そして何といっても、主人公!ペンネーム、神陽太!

 自分の中で確固たるラノベ作家としてのあり方があり、理論がある。熱い思いがある。ラノベの為に運動で体力を着ける、誘惑に負けないようにゲームを置かない。ともかくストイック。憧れるっす!


 ――「書きたい作品」を書くか、「売れる作品」を書くかじゃない。書きたい作品を売れるように書くのがプロだ。

 そんな名言を言える神先生は流石だぜ!

 

 あとは、ツンデレ一途で超深い愛が最高です!

 思わず漏らす本音も可愛らしく、お互いにド照れしてしまうやり取りは見ていてかなり癒やされます。


 そして最後に特に心に残った文章。


 徹夜は作業効率が落ちる。だから睡眠は重要だ。という文の後。

 かの夜神月くんも言っていた。『睡眠不足は敵だ。健康と思考力をそこなう』と。そんな月くんもジョバンニの徹夜作業に一杯食わされたことを考えると複雑だ。

 確かにその通りだ(笑)

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