林間学校にて

銀猫

第1話

これは、私が高校生の時の話。


二年生の夏、学校の林間学校である島に1泊2日泊まりに行きました。


初日は、宿泊施設のおじさんの話を聞いたあと、各班手作りの船に乗って海を渡ったりキャンプファイヤーをしたりと林間学校らしい楽しい催しをしました。その日の晩……



クラスの女子が集まる寝室で、例のごとく怖い話に花を咲かせていた。

私のグループは、4人組の女子で出来ており、皆順番に持ち寄った怖い話を披露していました。すると突然、携帯を弄っていた友人が慌ててそれをほおり投げたのです。

これには皆ビックリして彼女にききました。

「ちょっと、急にどうしたの?」

「信じらんない…覗かれたんだけど!!」


一瞬何を言っているか理解出来なかったのですが、彼女の話をよく聞くと


彼女は携帯のカメラ機能で髪型を整えている最中、彼女の後ろにあった曇りガラスに髪の長い赤い服を来た女性が立ち止まりこちらをじっと見つめていたというのです。


しかしおかしい。ここには私達生徒と男性の先生。それに、施設のおじさんしか居ないはず。赤い服を来た女性などいるはずがないのです。


同じグループの友人ふたりが気分が悪くなったといい、先に寝てしまいました。


しかし、幽霊など見たことのない私はまだ物足りない。そう感じて他のグループが行っている怖い話に混ぜて貰いました。


すると、不意に友人の後ろにある鏡が何故か気になりました。鏡越しに海が望める窓とカーテンが見えていた。友人の怖い話に耳を傾けつつやはり鏡が気になってしまうのです。


そんな時、窓際に座っていたクラスの子が小さな悲鳴を上げた。

「勝手にカーテン空いたんだけど…!」

それを皮切りに

「カーテン揺れてる!!」

「カバンが動いてる!」など、怪奇現象が起こり始めた。

いよいよマズイと、先生を呼びに行こうと立ち止まった時に鏡越しに見てしまったのです。




カーテンの隙間からこちらを覗く赤いレインコートを着た長い髪の女性を。




その女は私と目が合うとニタァ…と顔を歪ませこちらをじっと見つめてくるのです。


恐怖で動けなくなっていた時、クラスメイトが先生を呼んで来、なんとか皆落ち着きを取り戻しました。結局 見間違い、気にしすぎという事に纏められてしまい、皆不安な夜を過ごす事となりました。


翌日、クラスの皆がブルーな気分のまま島内をスタンプラリーで回ることになりました。


スタンプを集める道中、坂道に等間隔に建てられているお地蔵様や、数多くの廃屋を目にしました。昨日の事もあってか、あの出来事がこの島の過去と何か関係あるのではないかと思わざるおえませんでした。


結局、調べる事も出来ず実際何か関係あったのかも今となっては分かりません。

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林間学校にて 銀猫 @Kasuzame

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