第29話 魔法って便利ですね
もう少しで踏んで仕舞うところだったのは、シルバ○○ファミ○ーではなく、くまさんで、しかもマリアさんでした。
これが、ドラゴンさんから教えてもらった小さくなる魔法。
驚きです。
ぬいぐるみサイズの時も、もふもふでぎゅっと抱きしめてすりすりしたくなる程魅力的でしたが、このシルバ○○ファミ○ーサイズも、また愛らしくて素敵ですぅ~(^^)!
掌にのせて、可愛がりたいー! いろいろ着せ替えして遊びたい!
思わず、にゃは へにゃ にやけてしまう。
みゅぅ~
さくらこさんから、呆れたような視線とあわせて放たれた溜息のような声。
ごめんなさい!!!
なぜか、瞬時に謝ってしまう。
「くうま くまくま (起きられたのですね)くまま くままぁ~ くくま(ちょうど引っ越しが終わって食事にするところです)くまま くうまぁ?(一緒にどうでしょうか?)」
ぐりゅりゅ ぐりゅう
返事をする前に、お腹が勝手に鳴って返事をしてしまった。
ぼむっ!! 恥ずかしい。顔が熱いぞ~、体温が物凄く上昇中。今ここに鏡があれば、真っ赤になった私が映るだろう。
くすくす
マリアさんの小さな笑い声が、洞窟に反響して、沢山の笑い声になって聞こえてくる。
「くまま くっくっま(さあさあ 食べましょう)」
マリアさんは、ぬいぐるみサイズにボン! と変わって、私の背中をぽむと押してくる。
そのまま向かった先は、私が作った左奥の部屋。
見ると、その先が出来ていて、そこはもの凄く広かった。真ん中に野球場ぐらいの広さの広場があり、その周りにおもちゃの様な家(くまさんの村にあったきのこの家のミニチュア版)があった。その周りにさらに広いスペースが取ってあり、これから何かが出来ていくような感じだ。
あれから、寝て起きたらびっくりな程の変わりように、異世界の魔法の凄さに感心してしまう。
中央の広場には、普通の犬サイズになったカムイがちょこんと座っている。そして、大きなお皿に盛られた食べ物が幾つもあり、ぬいぐるみサイズのくまさんたちがいた。
マリアさんに連れられて、私は、カムイの隣に座る。その間に、ちゃっかりさくらこさんがちょこんと座って、エッヘンと胸を反らす。
ちょい、偉そうでないかい、さくらこさんや。
みんなが広場に揃ったようで、ざわざわが引いていき、視線がカムイの方に集まった。
「色々、不運な事件が続いた。もう、解決したものもあるが、まだ、解決していないものもある。だが今この時だけは、みんながこうして生きている事を素直に喜ぼう」
それぞれ、コップを持つと、高々と掲げた。
乾杯!!!
あちこちで、 ごくごくと喉を通る音がなる。
流されるように、目の前のコップを持ってそのまま口に付けて・・・蒸せた。
けほっ げほっ!
これって、お酒だ!? どうしよう、まだ未成年なのに、お酒を飲んじゃった!
お酒って、確か子供が飲むと毒になるんだったよね? 脳が、おかしくなるんだったっけ?
どっ、どうしよう!?
『大丈夫、大丈夫。なぜって、異世界転移の時に体の構造全て作り変えられてるから、地球での常識はこちらの世界エルドラドでは非常識~ってね(笑)』
げっ! また覗いているよ、この女神。ストーカー?
『なんだか、私の扱い酷くない? まだ、たったの二日だよ? 困っていないか心配している優しい優しい女神様に向かってストーカーだなんて、ショックで寝込んじゃう』
自分で優しい何て言う? しかも二度も!
『えっ? 大事なことは二回言うんでしょう?』
どこの若者かっていうの!! でも、まだ二日目なのね。
『そうね。マリアさんの娘さんの救出もまだだしね』
ぎくっ(;゜0゜)!
『もしかしてもしかしなくても、忘れてたね!』
びしっっ! と、なんだか指で指されたような感じがする。でも、くまさんたちも、こんな風に乾杯して祝っていたしーーーーーー。楽しく飲んだり食べたりしているんだからセーフだよね?
冷や汗たらたらだよwwwww
否~、ドラゴンさんからの連絡がまだだしね。
『有罪!!』
ああ、このお肉美味しいなぁ~。一体何の肉なんだろう?
『あからさまに話を反らしたね。まあいいけど。ドラゴンなら、死にそうになって、冒険者ギルドの裏で倒れてるわよ』
えっえっ!? なんで?
『今日はもう、検索は無理だから、勝負はあしたね。それから、拐われているのは彼女だけじゃないから、他の子らもついでに助けて欲しいかも』
げっ! それって、人の子もいるってこと?
『うーん、微妙に違うかもね。それは、お楽しみということで、そろそろ私も疲れたから寝るわね。おやすみなさい・・・・・・』
神様も、寝るのね。私は、さっきかなり寝てたから、夜寝れるかしら?
一杯食べたら、眠くなるかな?
ちらりと横を見れば、一心不乱に食べ続けるさくらこさんがいた。
ふふっ((^-^))可愛いなぁ~。家のさくらこさんは、一番可愛い!
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