第25話 事件は突然に起こるものです

 取り敢えず、ホワイトドラゴンさんからの連絡がない以上できることはありません。


 それまで、どうしよう?


何もしないで、ただ待つのも、何だし~。困ったな・・・。


 マリアさんにしてみれば、少しでも早く助けたいでしょう。


 ここは、本当にホワイトドラゴンさんにお願いするしか手がありません。(否、本当の本当はあるのだけど、人の住む所にいきたくないし、人と関わりたくないので・・・・・・・・。ごめんなさい、マリアさん。こんな、チキンな私を許して下さい)



 さくらこさんをわしゃわしゃしながら、もんもんとしていたその時、鐘の音が響き渡りました。




 カーーーーん!   かーーーーーん ! 


 かんかん!!   かーーーーーん!!!




 「この鐘の音は? 」


 「これは、まずい」


 カムイの顔がぐわっときつくなる。


 「くくっ くまくま  くくっ くまくま(たいへん にげなきゃ にげなきゃ)」


 マリアさんが、マァークくんを慌てておんぶすると、私の左腕を掴んで引っ張る。


 どうやら、ただ事では、ないようです。慌てて逃げなきゃいけない出来事を伝える鐘の音と言うことは、絶ーー対、敵襲!! それ以外考えられないでしょう。


 何処に向かっているのかわかりませんが、引っ張られるまま走ります。その後ろを、カムイがついて走る。


ところで、敵とは一体何なのでしょう。非常〰〰に気になるところです。


 

  くままぁーー!!くああああああ!!!(敵襲! キラーアント4体だ!!!)



 ちょうど、タイムリーに聞こえてきた怒声。


 キラーアント! 詰まり、蟻ですね。それは、異世界ものでもよく蟻ですね。


 はは、蟻と有りを掛けてみました。って、それどころではないんですよね。


 私の元の世界では、蟻は小さいけど、毒を持つものがいて、咬まれると死ぬこともありますが、この世界の蟻はどんなのでしょう。


 「キラーアントは、今の我位の大きさで、魔法と物理、両方とも効かない。更に、硬い顎に鋭い歯で、大抵のものは、噛み砕く」


 私の横を走りながらの説明、ありがとうございます。カムイ様々ですね。


 ところで、それってどうやって倒せばいいのでしょう?


 小首を傾げつつ避難しておると、説明の続きが・・・。


 「倒しかたとしては、キラーアントが、口を開いた瞬間に、口の中に猛毒のフググを放り込むだな」


 便利ですね、カムイ辞書。


 「一般人に、キラーアント討伐は難しいので、逃げるのが常識だな。だが、お主なら楽勝だろ?」


 それって、私にキラーアントを倒してこいって言ってる? でも私は、一般人だよ。


 無理です!


 もう、ホワイトドラゴンさん、早く連絡下さい! 


 そしたら、キラーアント討伐を頼むのに・・・・・・・・・。小さくってもドラゴンなのだから、キラーアント位、楽々だよね?


 あれ? カムイも大神なんだから、楽々討伐出来るんじゃない?


 じーーーーーーって、カムイくんを見つめましょう。


 「生憎、我は、えこ引きは出来ない。キラーアントも生きるために他者を襲い食べるのは当たり前の行為だからな」


 


 くままぁーー!  くまくまぁ!! 



 くまさんたちの叫び声が響く。目の前には、転けて震えるマリアさんと泣き叫ぶマァークくん。そして、私の服の中で震えるさくらこさん。


 しょうがないか。


 キラーアントがなんぼの問だ。倒しかたは、分かって・・・・・・・? って、私、フググの毒なんて持ってないよ。


 「カムイ、フググの毒を下さい! 」


 右手を出すと、ほいきたと、泥団子の様なものを10個くれる。って、持ちきれないよ。入れ物ちょうだい!!


 えっ? 空間魔法を使え?


 あっそうか、忘れてました。


 それでは、ちょっと頑張って来ますか。

 

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