第4話 ユメノツヅキ

お金がなくて絶望に打ちひしがれていた僕に掛けられた声、それに反応して僕が顔を上げると目の前に居たのは……超絶イケメンが2人。


イケメン爆発しろッ、思わず口から出そうになった言葉を何とか全力を尽くして飲み込み僕は



「ええと、実はですね……」



かくかくしかじかかむいはうまうまと超絶イケメン二人に事情を伝えると



「そっか、大変だったな小っちゃいのに」



そう言いつつ僕の左に腰かけたのはマリスさん、隣に座った途端ふんわりと健康的な汗の匂いしたが決して不快ではなくむしろ何か安心するような感じ。

そんなマリスさんが僕の頭を心底心配しています!って表情で撫でてくる。



「ええ、大変でしたね。 泊まる所はあると言う事でしたが、その他にもお金はかかりますものね」



そう言いつつ僕の右に腰かけたのはノールさん、ノールさんからは香草なのかな?シトラスの様なさっぱりとした香りが漂ってきてる、この世界では臭いかドギツイ香水の臭いしかさせている人が居なかったから元の世界を思い出してまたもや安心してしまった。

そんなノールさんも僕の事を心配しています!って表情で僕の肩に手を置いてきた。


うん、何か二人とも近くない? この世界ではふつーなのかな??

何か通りすがる人たちから生温かい目でジロジロと遠慮なく、かつ微笑ましく見られている気がするのでこれがふつーなのかな???


あっ、今向こうで肩にインコを乗せたキレイなおねーさんが鼻血出して倒れた……誰かに思いっきりぶつかったんだろうなぁ。



「ありがとうございます! ……折角だからこっちの世界を楽しもうと思ったんですが、何をするにもお金がなくて……。 どうしようかと思ってたんですよね」


「あと僕、17歳ですよ。 子供じゃないないです!」



僕が17と言った瞬間、付近からは一瞬音が消えた、様に思えたけどすぐに周囲の騒ぎは元に戻ったんだ。


「アレ? 二人ともどうしたんです?」



僕がそう二人に尋ねれば、どこか嬉しそうな事を隠しきれない顔をして、ノールさんがこう提案してきたんだ。



「そうだ、マリス良いことを思いつきました」


「奇遇だな、俺もだよノール」


「「アユムを俺(私)たちのパーティに入れよう!!」」



凄くキラッキラとした笑顔を振りまき二人はそう提案してきたんだ。

僕も少しだけ悩んだんだけど、色々と教えてくれるし僕が戦闘用のスキルも持っているってことで二人の足手まといにもそんなにならないだろうから、丁度良いってことでOKしたんだ。


この後、二人に連れられてお金がなくて買えなかった露店の食べ物をつまみつつ、この世界の事を色々と教えて貰い今日は終了になりました。


また明日と言って別の宿へと名残惜しそうに何度も振り返って帰っていく二人。

その表情は、捨てられた子犬を連想させられて何だか可愛くも思える(背がおっきいから大型犬だけども)

ただ僕にはまだ最後に心配事が残っているんだよね。



……そう、本当に元の世界に帰れるかってことが。



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