第2話 静まった部屋の中で‥‥
静まった部屋の中、
2人の呼吸音だけが鮮明に聞こえる。
外は変わらずの雷雨でこれからおこることを
激しく訴えているようだった。
重い沈黙を破ったのがアロンだった。
アロン「.........信じてくれるの?私のこと。」
柔らかい口調に思えるが声は冷えきっていた。
俺はすぐには答えられず、ふと少女の首を見た。
いつの間にか塞がっていた傷口に恐怖を覚えた。
あの生暖かい感触、不気味な臭い、
そしてなにより少女の血だらけの服が全てを本当だと物語っている。
怖くて震える声を絞るように出しながら俺が言った。
レオン「信じる他ないだろう...。なぜなんだ、お前は人間なのか?」
アロン「......」
しまった。聞かない方が良かったのか。
アロン「私は自分が何者かわからない。」
そう言った少女の目はどこか寂しそうで孤独だった。
アロン「楽しい、嬉しい、幸せ、憎い、つらい、苦しい、むかつく
私はこの感情を感じることが出来ない...。」
普通の人ならわけがわからないだろう‥‥でも違う。
普通ではない。俺はこの少女と関わった時点で普通ではないのだ。
レオン「感じられない‥‥何故だ?」
震えていた声もいつのまにかしっかりした声になっていた。
少女を哀れに思ってしまったからだろうか。
アロン「私の過去を全て聞いてくれる?
それからあなたはどうするのか‥‥。」
そう言い自分の過去を淡々と語り始めた。
【3話目はいきなり少女の過去シーンから始まります。】
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