番外 雪男と宇宙人
宇宙人とは
地球外生命のうち知性を持つものの総称である。
異星人とも呼ばれ、一般には地球人の対義語だが、宇宙へ行った地球人を指す事もある。
地球外に生命があるか? という議論は遥か昔からされ諸説あるが、未だ決定的な証拠を得るには至っていない。
しかし地球に生命が存在するなら、同じ条件の揃った惑星に生命が存在する可能性は高い。
たとえば火星には薄いけれど大気が存在するし、過去に水があったという痕跡を発見したとする学者も多い。
宇宙にはそれこそ、星の数の太陽系があり、さらにその数倍の惑星が存在する。
たとえるならば、生命のある惑星が存在する確率が一億分の一だと仮定すると、一つはこの地球としても二億個の惑星が存在すれば可能性はある事になる。
そして宇宙には百億年以上の歴史がある。
それを踏まえれば、地球外生命が存在しない可能性の方が低く思えてくる。
しかし「宇宙人が存在する」という回答には疑問が残る。
つまり宇宙人が存在する可能性があるとして、それは十億年前に滅んでいるかもしれないし、次に現れるのは十億年後かもしれない。
それは現時点において「宇宙人は存在しない」と言う事ができる。
逆に現時点で宇宙生命が存在しても、我々または先方が宇宙を超えて相手の太陽系まで航行できたとしても、その間にどちらかが滅亡するかもしれない。
つまり互いに接触する事ができない、確認する事が出来ないものは「存在しない」と定義づけて差し障りが無いと言える。
そこには仮定と推測しかなく、現実に接触できないのならば探究する事自体が無意味である。
地球外生命からの接触をただ待ち、接触があってからこれまでの認識を改めればよいのであって、それまで「存在しない」と決定する事に何の問題もないと言える。
しかしここで現実に接触がある場面を想像してみると。
仮に我々が宇宙へ進出して、遠い惑星に生命を見つけたらどうするだろうか。
折角見つけた生命ある外惑星。うっかり傷つけないように細心の注意を払うのではないだろうか。
どれだけの知能を持ち、どのような進化系を辿ったのか、まず調べ上げたうえで接触を試みるはずだ。
接触方法は宇宙船で降り立つ、などは有り得ない。
そのような原始的なテクノロジーで惑星間を航行するなど考えられないからだ。
もし本当に宇宙人なるものが「存在」するのならば、彼らは何の兆候もなく地表に現れ、誰に気づかれる事もなく生活に紛れている事だろう。
僕は読んでいた本を閉じる。
『宇宙人は存在しない』
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