服毒ライフ

 愛情に色があるとしたらきっと黒だろう。何もかもが愛の名の下に塗りつぶされ染まっていく。愛だよ。殴られるのも。存在を否定されるのも。ぜんぶ愛だよ。

 若さは弱さだと年をとる度に大人たちがひそやかに騒ぎ立てる。黒髪の女子高生が整列する。その太ももが美味しいと脂ぎった舌がのたうち、公然と賞味する。もう頭蓋には脳みそを詰めなくてもいいんだって分厚い本が閉じられた。誰か幸福の意味を調べてよ。叫んでもそんなことは必要ないとワインばかりが注がれる。狂おしい酩酊感に溺れながらまだ発狂できない。

 子宮のように温かいモラトリアムが終わろうとしている。人生、と名付けられた紙片をばら撒いてどこへ行くというの幼子おさなご

 小さな唇がささやく。ピラニアになって生きたい。獲物を喰らうだけ。それだけ。

 奪う側でないと生きていけないから、適切な致死量が君を人間にする。それを人間と言うなら。

 

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