頂きます言わないで食べちゃった
水沢山人
第1話 アタシと彼女
アタシは待ちくたびれた、お昼ごはんの時間になっても母親がキチンと食事を持ってこないからだ。
アタシは彼女に言った「もうサンドイッチとか簡単なのでいいよ」って
だって彼女から「面倒くさい」が充満してたから、すぐわかんだよね。
アタシもこのグータラ女の血を十二分に受け継いでるし、グータラ同士共鳴してるのもわかるから。
彼女が渋々と嫌そうな顔でアタシに財布から1000円を取り出し、
「これで丸くて甘いの買って来て」という。
一緒に買いに行こ!とか手作りの食事作って!なんて淡い気持ちもあったけど、やっぱりアタシの母親だな。
「わかったよ」、、そう言ってアタシも眉間にシワをよせては甘くて丸いのを買いに行くのだ。
丸くて甘いアイツは嫌いじゃない、がトラウマが蘇るので好んでは食べたくない
食べた瞬間、1人で留守番した寂しい気持ちと彼女と口いっぱいに笑顔でほうばった嬉しさがフラッシュバックするからだ。
どっちかと言えばピンで留守番してた時の気持ちのが7:3で勝ってるからトラウマの勝ちだな。
その丸くて甘いアイツってのは
我が家と目と鼻の先に売っている、いすゞ屋のまんじゅう屋のフカシまんじゅうの事だ。いすずでは無く何故、いすゞなのかと店主のマサヒロさんに聞いたところ、カッコイイからだそうだ。。聞いたアタシが間違いだったね。。
でもね、実際ここのフカシまんじゅうは1個50円で安くて、でーっかくて旨いので
アタシと彼女”グータラ親子”に絶対になくてはならないものだったのだ。
頂きます言わないで食べちゃった 水沢山人 @tengumax
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。頂きます言わないで食べちゃったの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます